2022年の最終四半期以降、金融市場にリスクテイクが強く戻ってきている。コンセンサスはこのまま続くというものだが、一部のオブザーバーは法定通貨の流動性圧力が控えていることを主要指標で指摘しており、注意を呼びかけている。
時価総額トップの暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)は、11月に1万5500ドル付近で底を打ち、その後、2倍の3万1000ドルまで上昇した。フィデリティ(Fidelity)などがビットコインのスポットETFを申請したことも要因になっている。
ハイテク株の比率の高いナスダック指数も2022年後半に底を打ち、その後、50%近く上昇し、より広範な業種を含むS&P500指数は同じ期間に25%上昇した。
暗号資産ファンドDecentral Park Capitalのポートフォリオマネジャー、ルイス・ハーランド(Lewis Harland)氏によると、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)の純流動性指標や世界の純流動性指標など、広く追跡されている法定通貨の流動性指標が最近低下しているため、状況は厄介になる可能性がある。
「市場の流動性指標(グローバル、アメリカ国内)は低下しており、今後数週間にわたり両方の流動性指標が低下する中でBTCにとって前向きな状況になれば異例のことだろう」とハーランド氏は7月3日のマーケットアップデートで述べた。
「これは、市場の強気なコンセンサスにもかかわらず、我々がBTCに慎重である唯一最大の理由であり、投資家によって見過ごされていることだと考えている」とハーランド氏は付け加えた。
法定通貨の流動性状況は、ビットコインや株式のようなリスク資産に大きな影響を与える。歴史的に、その転換点は、リスク資産の市場評価の重要なピークとボトムを示してきた。
チャートプラットフォームTradingViewとDecentral Park Capitalのデータによると、複数の主要国の法定通貨の供給量を考慮した世界の純流動性指標は、2022年11月以来の低水準となる26兆5000億ドルまで減少した。
システム内で利用可能な米ドルの量を測るFRBのネット流動性指標は、数週間前の6兆3000億ドルから6兆ドルに減少している。
FRBが保有する準備高も減少しているとNorthmanTraderの創設者でリードマーケットストラテジストのスヴェン・ヘンリッヒ(Sven Henrich)氏とEndeavour Equity Strategyの創設者ダグラス・オーア(Douglas Orr)氏がツイートしている。
銀行は信用を拡大するために準備金を使用する。したがって、準備金の減少は引き締めを意味し、リスク回避につながる可能性がある。
このツイートは、FRBが保有する銀行準備高が過去数週間で減少していることを示しており、S&P500の上昇の持続性に疑問符を投げかけている。ビットコインも同様だ。
MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)と、法定通貨の流動性の尺度になっている5大中央銀行(FRB、ECB、日本銀行、中国人民銀行、イングランド銀行)の総資産にも同様の乖離が見られる。
5大中央銀行の合計残高は再び縮小しており、リスク資産に対する流動性圧力を示している。
「中央銀行の流動性は減少し始めており、市場との相関関係から、今後は逆風になる可能性がある。特に(アメリカ)国債の発行が市場から流動性を引き出している」と、匿名マクロトレーダーで投資家のMarkets & Mayhem氏は日曜版のニュースレターで述べ、株式と中央銀行のバランスシートの乖離を指摘した。
参考資料:https://www.coindeskjapan.com/192689/
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Source: 仮想通貨情報局