仮想通貨サービスを提供するDBS銀行は、デジタル人民元（e-CNY）に関連した新たなソリューションを、中国本土の顧客向けに導入する。
DBSバンク・チャイナは7月5日、e-CNY商用ソリューションの開始を公式に発表した。これにより、中国本土のビジネスは、中央銀行デジタル通貨（CBDC）での決済を受けることが可能となる。
DBSはコインテレグラフに対し、新しいサービスによりDBSの中国本土のクライアントはe-CNYを受け取りまたは集め、それを自動的にCNYの銀行預金口座で決済することができると語った。同社はこのサービスを「支払いソリューション」ではなく、「マーチャント向けの収集ソリューション」と表現している。企業や個人商店は最終的な金額をCNYで銀行預金口座に「収集」するからだという。
DBSのソリューションは多くの利点を可能にするよう設計されており、企業は「手作業による決済プロセスを経ることなく」CBDCを収集できる、と発表では指摘されている。このツールはe-CNYの機能を備えており、ユーザーはインターネット接続が制限されているサービスが行き届いていない地域でも支払いを受けることができる。
さらに、このソリューションは、DBSのビジネスバンキング向けデジタルプラットフォームを通じて残高照会を提供する。
DBSバンク・チャイナのジンジャー・チェン最高経営責任者（CEO）によると、DBSバンク・チャイナは深センのケータリング会社が関与する初のe-CNY取引をすでに完了したという。
"CBDCの収集・決済方法を顧客の既存の決済システムにシームレスに統合することで、中国の消費者が日常生活でe-CNYを使用するデジタル化された未来に向けて、顧客のビジネスを位置づけることができる"
また、「中国の金融市場革新の発展を積極的に支援する」と同時に、ユーザー・エクスペリエンスの向上に対する同社のコミットメントを示すものだと付け加えた。
DBS銀行のグローバル・トランザクション・サービス部門責任者であるリム・スン・チョン氏は、この新しいCBDCサービスは、24時間365日即時で摩擦のない決済を可能にするというDBS銀行の取り組みにおける新たなマイルストーンであると指摘した。「今回のサービス開始を足がかりに、国境を越えたCBDC決済など、新たなデジタル決済ソリューションを模索していきたいと考えている」という。
2019年にCBDCを立ち上げて以来、中国はデジタル人民元の普及・拡大を大きく進めてきた。同国中央銀行によると、2022年末までに流通した電子人民元は136億元に上る。CBDCは現在、中国の26の都市と17の省で受け入れられており、プログラムが徐々に多くの地域に拡大するにつれて、採用はさらに拡大すると予想されている。
シンガポールのメガバンクであるDBS銀行は仮想通貨を推進する姿勢で知られている。2020年には機関投資家向けに仮想通貨取引とカストディ・サービスを開始した。2022年にはビットコイン（BTC）の取引量が80％急増し、仮想通貨業界の大暴落から利益を得た世界でも数少ない企業のひとつであると伝えられている。
参考資料：https://jp.cointelegraph.com/news/crypto-friendly-dbs-bank-launches-digital-yuan-payment-tool
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Source: 仮想通貨情報局