世界経済フォーラム(World Economic Forum)とグローバル・ブロックチェーン・ビジネス・カウンシル(Global Blockchain Business Council)が14日に発表した調査によると、ブロックチェーン業界の世界的な標準化が進まない理由が明らかになった。
今回発表された報告書「グローバル・スタンダード・マッピング・イニシアチブ(Global Standards Mapping Initiative)」では、ブロックチェーン業界の標準化におけるギャップや相違、重複が業界が克服しなければならない最大の課題であると指摘している。
ブロックチェーン業界の標準化に関わるほとんどの組織は、特定の分野に大きな関心を示している一方で、組織が関係していない分野を完全に無視している。そのため、ブロックチェーン業界のいくつかの分野で二重の標準化が生じ、他の部分との標準化にギャップが生じている。
ブロックチェーン技術の標準化への関心は、技術の注目度に応じて変化してきた。ブロックチェーンへの注目度がピークに達した際に標準化に着手した多くの組織は、作業を停止しているか、まだ合理的なアウトプットを出せていない。
報告書によると、関心が重複する5つの分野は、セキュリティ、IoT(モノのインターネット)、アイデンティティ、DLT要件、DLTの用語とされている。
DLT用語への標準化に大きな関心が寄せられているにもかかわらず、世界中のブロックチェーン関連用語が定まっていないという。ブロックチェーン業界の一貫した定義は、業界を成長させる鍵となるとレポートは指摘している。
さらにブロックチェーン業界は、特定のプロセスに対するブロックチェーン技術を正式に定義するための基準が不足していると指摘している。世界的な基準を設定することで、より多くのプレイヤーが自社のビジネスに対するブロックチェーン技術の可能性を評価し、それに伴うメリットやリスクを知ることができるようになるだろう。
また、ブロックチェーン・プラットフォームをテストするための手順を定義した正式な基準もない。この業界におけるイノベーションのほとんどは、標準化ではなく、業界のプレイヤーと技術的な進化によって起こってきたとレポートは述べている。
一方で報告書は、規制当局が国や世界の基準を設定する前に、この技術について自身で学ぶべきであると提案。「標準化の有効性は、最終的にはその技術がどれだけ理解されているかにかかっている」と指摘した。
ブロックチェーンの標準化のためにサイロ化された運営を行っている組織や規制機関もまた、多くの混乱の原因となっていると指摘。研究では、サイロ化した組織を打破することが極めて重要であり、地理的な障壁は「より機能的なフレームワークを促進する」と強調している。
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Source: 仮想通貨情報局