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パンデミックが加速させたビットコイン:シンガポールDBS銀行

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「パンデミック(世界的感染拡大)がデジタル資産の普及を加速する」

シンガポールのDBS銀行は、8月に発表した暗号資産(仮想通貨)に関する四半期レポートの中で、デジタル資産の現状をこう表現した。

「世界一のデジタル銀行」と称されるDBS銀行と、そのチーフエコノミストであるタイムール・バイグ(Taimur Baig)氏からこうした見解を聞くことは興味深い。

しかし最近、特にシンガポール、スイス、ドイツのような場所にある特定の大手金融機関についての噂が聞こえてきている。より小規模なプライベートバンクや富裕層顧客からの暗号資産に対する新たな需要に対処しているというのだ。

パンデミック前、パンデミック後

ビットコイン(BTC)のような暗号資産についてバイグ氏は、需要に2つの明確に異なる段階があると考えている。パンデミック前とパンデミック後だ。

「パンデミック前の需要はおおむね投機的だった。人々はビットコインの目を見張るような値動きを見て、自分も投資したいと考えた。運用資産の1%をビットコインに入れることは悪くない考えだった」とバイグ氏はインタビューで述べた。

「しかしパンデミック後の需要は、投機を超えたものになっていると思う。『流通量は固定されており、価値が低下することはない』といったものだ。人々はドルの流出を懸念しており、安全資産として、ゴールドに加えて暗号資産を保有すべきか考えている」

こうしたトレンドに気づいている銀行はDBSだけではない。シンガポールに拠点を置き、スイス金融市場監督局(FINMA)から銀行ライセンスを取得しているデジタル資産銀行のシグナム(Sygnum)も同様の見解だ。

「新型コロナウイルスの感染拡大以降、デジタル資産を代替資産、および懸念されるインフレリスクから身を守るための手段と考えるファミリーオフィスや個人からの関心が大きくなっている」とシグナム銀行のマーティン・バーガー(Martin Burgherr)氏は語る。

ファミリーオフィス:超富裕層の個人や家族の資産を管理する専用の資金運用サービス。

「今、銀行はロックダウン(都市封鎖)から復活し始めており、国内外の銀行から、B2Bの取り組みや顧客のデジタル資産への投資のサポートを求める依頼が大幅に増加している」(バーガー氏)

デジタルゴールド

DBSのバイグ氏は、シンガポールの中央銀行にあたるシンガポール金融管理局(MAS)、ドイツ銀行、IMF(国際通貨基金)でシニアエコノミストの役職に就いていた。同氏は、デジタル通貨と中央銀行デジタル通貨(CBDC)の潜在的な役割についてマクロ視点から考えることを好む。

ゴールドが一貫して上がり続けているのに対し、債券の利回りはゼロに向かっており、そうした状況によって「ビットコインは非常に説得力のある形で復活した」とベイグ氏は述べた。

FX(外国為替)の視点から、米ドルに対する為替レートを持った新たな通貨としてビットコインを捉えたくなる。だがこれは間違いとバイグ氏は述べた。なぜなら法定通貨は、生産性と長期的成長を決定づける経済的評価手段として認められているからだ。

「暗号資産をそのように評価することはできない。システムベースの流通によって信頼性はあるが、国家の財産とはつながっていない。だからもちろん、アメリカ経済が上下するように上下しない。その観点から、私の見解では暗号資産はFXよりもゴールドに近い」

ドルへの固定

通貨危機やハイパーインフレを経験している国にとって、通貨を米ドルに固定することは、短期的にはある程度の信頼性をもたらすかもしれないが、多くの場合、うまくいかないとバイグ氏は指摘した。さらに次のように付け加えた。

「ベネズエラや大規模な金融危機の真っ只中にあるレバノンを見たときに、今後どこかの時点で、通貨を米ドルに固定する代わりに、暗号資産に固定することはあるだろうか?」

取引がブロックチェーンで確認できることを考慮すると、可能性はあるとバイグ氏は述べた。

「流通量が限定された通貨に固定されるなら、米ドルへの固定とある程度の類似性はある」

デジタル人民元

中央銀行デジタル通貨(CBDC)も、特にアメリカと中国の間で高度に政治的なテーマとなっている。

中国と「デジタル人民元」でのCBDCへの取り組みについては、2つの側面から考える必要があるとバイグ氏は指摘した。

第一に、デジタル人民元は、中央銀行である中国人民銀行が、同国で無秩序に広がるフィンテックのエコシステムをある程度コントロールするための方法だ。

「アリペイ(Alipay)やテンセント(Tencent)のレベルで、非常に多くのことが行われている。預金はこうしたフィンテック企業に行われ、信用枠が拡大している。そのため、中国人民銀行の金利政策はほとんど意味がない。まるでパラレルワールドのようなものだ」

もう1つの側面は、デジタル人民元が特定の国々にとっては、米ドルによる決済メカニズムを回避する手段となる可能性があることだと、バイグ氏は指摘した。

「米ドルはイランなどの国々、そして中国に対するいわば“経済的な武器”として繰り返し使われている。米中間の緊張は非常に高まっており、デジタル人民元の役割はますます説得力を増していると考えている」

参考資料:https://www.coindeskjapan.com/79460/ 

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Source: 仮想通貨情報局

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