ブロックチェーン分析企業のフリップサイド・クリプト(Flipside Crypto)の調査によると、分散型ブラウザ「ブラウザ」の独自トークン「ベーシック・アテンション・トークン(BAT)」が、6月19日から7月2日までの間、分散型金融(DeFi)セクターで最も使用されたERC-20トークンだった。またDapp.comによると、BAT関連の取引高は9億3100万ドルにのぼり、イーサ(ETH)とDAIを合わせた量を上回った。
BATは、ブレイブのユーザーに広告を表示する代わりに報酬として使用されるトークンだ。
ブレイブはブロックチェーンブラウザのリーダーの1つであり、BATは仮想通貨(暗号資産)投資家によって頻繁に取引されているが、最近の取引高急増は驚くべきものだった。
BAT急騰の背後には何が?
フリップサイド・クリプトによると、最近のBAT価格上昇と取引高増加は、別の分散型金融(DeFi)プロジェクトであるコンパウンド(Compound)の開発に関連している。
過去数週間、コンパウンドはDeFi分野で注目されており、COMPトークンは最近リリースされ、最初の1種間で223%上昇し、注目を集めた。COMPはロックされたDeFiプロトコルで最大のモノとなった。
コンパウンドは報酬メカニズムにより、ユーザーが同額の別のトークンを担保としてトークンを借りることができる。同時に、貸し手はコンパウンドのレンディングエコシステムに流動性を提供することと引き換えにロックしたトークンから利息を得る。
プロトコルは、参加者が貸与もしくは借入することに対して利息の額に基づいて、追加のCOMPを報酬として提供する。
フリップサイドのデータによると、BATのようなトークンは貸し手と借り手にとって30%という高い金利を持っているため、これがBATの取引急増の理由だった。
The dangers of inorganic activity
BATの利用急増は、DeFiエコシステム全体に差し迫った脅威をもたらすようには見えない。しかし、この無機的なアクティビティ増加は見過ごされてしまう、いくつかの結果をもたらす可能性がある。
ユーザーは単にトークンを貸し借りしてプロトコルに再供給することでCOMPトークンを獲得できるため、アクティビティが急増している。
出典: Flipside Crypto 6月20日から7月6日までのBATアクティビティ
イーサリアムネットワークは、ステーブルコインおよびDeFiプロトコルの急増により、すでに深刻なスケーラビリティと輻輳の問題に直面している。BATでみられるような無機的なアクティビティは、スマートコントラクトとより「正当な」方法で取り組んでいるユーザーから必要なリソースを吸い上げてしまうだろう。
フリップサイドは、この種のアクティビティは、時価総額と取引高が比較的小さいトークンに対しても深刻な流動性の問題を引き起こす可能性があると指摘している。BATの場合、この期間中、供給量の約82%がコンパウンドにロックされていた。
7月2日にコンパウンドでCOMPトークンの配布方法が変更された後、この異常なアクティビティは停止した。ユーザーは獲得した利息ではなく、借りた資産のドル額に基づいて報酬を受け取るようになった。
ただし、BATの取引高とスポット価格の急騰は、DeFiエコシステムがいかに脆弱であるか、またいとてきもしくは非意図的に簡単に操作できてしまうことを示している。
参考資料:https://jp.cointelegraph.com/news/how-did-basic-attention-token-bat-become-the-most-used-defi-token
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Source: 仮想通貨情報局