EUの第5次マネーロンダリグ指令(5AMLD)が1月10日に発効した。この規制は、マネーロンダリグとテロ資金供与を阻止するため、金融取引の透明性を高めることを目的としている。
今回の5AMLDは、仮想通貨と法定通貨を交換する取引所や仮想通貨カストディアン、ウォレット事業者なども、その規制対象に含めている。仮想通貨取引についても
5AMLDのファクトシートによれば、今回の規制の目的は次のようなものだ。
- 不透明な構造を介したマネーロンダリングとテロ資金調達を防ぐため、誰が実際に法人を所有しているかの透明性を高める
- 欧州の金融規制当局への銀行口座登録記録を介した情報アクセスの改善
- 仮想通貨とプリペイド事業者の匿名使用に関連するテロ資金調達リスクに取り組む
- マネーロンダリグの監督当局と欧州中央銀行との協力・情報共有を改善
- リスクの高い第三国を評価するための基準を広げ、そのような国との間での資金移動に対する高レベルの保全手段を確保する
この規制に違反した場合には、事業者に対して罰金が科されることになる。たとえば、オーストリアの金融規制当局は、規制に準拠しない仮想通貨サービス事業者に対して最大20万ユーロ(約2400万円)の罰金を科すとしている。
仮想通貨事業者への影響
欧州の仮想通貨企業は、5AMLDによる新しい規制ガイドラインを満たす必要に迫られている。
その中で、いくつかの企業は事業停止に追いやられている。
英国に拠点を置く仮想通貨ウォレット事業者のボトルペイは昨年末に事業停止を発表した。それに引き続き、仮想通貨ゲームプラットフォームのチョップコインやマイニングプール運営のシンプルコインなども、昨年末までに事業を閉鎖することを発表した。
事業停止ではなくても、拠点を移動する例も出ている。最近では、オランダに拠点を置いていた仮想通貨取引所デリビットが拠点をパナマに移転すると発表した。
デリビットは、EUの5AMLDが10日から施行されることを受け、コスト高回避を移転の理由として挙げていた。
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Source: 仮想通貨情報局