仮想通貨ビットコイン(BTC)市況
ほとんど反発せずに急落の続いていた仮想通貨ビットコイン(BTC)は、1万ドル(108万円)割れで下げ止まり、大幅反発を見せた。本日8時頃到達した120万円の主要レジスタンスラインで反落し、再び上値を下げ始めている。
反発の背景には、短期的な売られすぎ水準の是正などテクニカル要因のほか、リブラへの米政権の圧力が強まる中、イギリス当局の見解も挙げられる。
英財務相Philip Hammond氏が、米経済番組CNBCのインタビューの中で、フェイスブックが開発中の仮想通貨リブラは「議会によって規制すべきではなく、適切に規制当局によって規制すべき」との見解を明らかにした。米政権が批判姿勢を強める中で、心理的緩和が後押しした可能性がある。
先週11日以降の下げ材料としては、国内大手の仮想通貨取引所「ビットポイント」から30億円相当の仮想通貨不正流出した事件も影を落とした。連休明けの本日、親会社のリミックスポイントが記者会見を実施。法定通貨ではなく、すでに市場などから調達済みの仮想通貨現物で被害者への弁済を行う意思を明らかにするなど、進展も見られた。
東証2部に上場する同社に対し、記者からも厳しい質問が矢継ぎ早に飛んだ。経営・管理体制の不備に始まり、再開の目処や内部犯行の可能性など、重要度の高い質疑応答内容を中心に、詳細は以下の記事でまとめている。
ビットコインテクニカル分析
3連休中の15日9時すぎに1万ドル(108万円)を割り込み、さらなる下落が警戒されたが、11時すぎの2度目の下値トライでパニック売りを吸収するようにスパイクボトムを形成。22時すぎの下落を最後に、二段上げの反騰に転じた。
①の上値抵抗線を抜けてきたことで勢い付いたが、サポレジ転換した120万円付近の節目はやはり堅く、1h雲上限とペナント上限の延長ライン(緑)が頭を押さえつけている。
このラインを実体で抜けてくることがあれば200EMA付近(③)までの一段高も視野に入るが、短期トレンド転換していることから、現時点では戻り売り目線が優勢か。ビットコイン(BTC)のドミナンス上昇に歯止めが掛からず、アルトコインの資金の抜け方が著しいことも指摘されている。
一方で、BitMEXではファンディングレートが13時までショート払いとなったほか、上位ランカーのLSポジションは、2日前比較のショート比率が79%から63%まで16%低下した。大衆心理が下に傾く中で大口のロングポジションが増加したものの、リバウンド狙いかどうかは明日以降の推移を見る必要はある。
上位足で分析すると、4hMACDがゼロライン以下でゴールデンクロスしており、過去の値動きからも一定の信頼性は認められる(赤丸)。120万円を明確に超えて定着できれば、130万円付近までのレンジ相場移行も期待できそうか。
今後、一度反発したライン④から最安値を更新した場合の下値目処としては、スイングショーターの利確ラインかつ5月最高値でもある9000ドル(⑤)が挙げられる。テザー(USDT)周りでも、ニューヨーク司法当局と29日の裁判再開に向けて先行き不透明感強まる中で中期トレンド転換している場合は、時間をかけて8000ドル以下にまで落ちる可能性もあり得るなど、予断を許さない状況が続くだろう。
現在は、米NY市民へのサービス提供に関する規制当局側の「管轄権」が争点になっており、29日に裁判が再開される見通しだ。再度の上昇機運が訪れるとしたら、市場のアク抜けと共に、もう一度1万ドルを試して急反発するなど底堅さを見せ付けて、市場の目線を変える必要があるかもしれない。再び”冬の訪れ”を示唆する中、少なからず好ファンダの後押しは必要不可欠だ。資金流入の期待感が得られるかどうかはテクニカルを見る上でもポイントとなりそうだ。
海外アナリストの分析
海外の著名アナリストのJosh Rager氏によれば、米時間15日(日本16日)の日足で見る終値ベースで、今週(21日付き)の強気相場である価格ラインを、11,470ドル(約124万ドル)に設定した。
上値抵抗線は、11,150ドル(約120万ドル)として見なしている。
Rager氏は現在の10,704〜10,760ドルのレンジが、今回を含め2度に渡る下落によりサポートラインからレジスタンスへと変化した中で、再びサポートラインとなり得るかに注目している。
さらに週足分析では、「今週中に日足で10,191ドル(約110万ドル)以下の終値をつけた場合、弱気傾向が強まる可能性が高い。」との見解を示したほか、9650ドル(約104万ドル)を下回れば、市場が弱気に支配されると予測している。
Source: 仮想通貨情報局