- ここ数カ月で、人種差別的な用語を含む多くのミームコインが発行された。
- BUIDLアジアでのディスカッションで、パネリストはこの問題に対処する最善の方法について議論した。
ミームコインは面白くて不遜なものだが、Nワード(黒人差別)やその他の人種差別的なテーマを含む名前を持つトークンが爆発的に増加しているという問題もある。
最近ソウルで開催されたBUIDLアジア(BUIDL Asia)のサミットではミームコインに関するパネルディスカッションが行われ、パネリストらはこの問題への対処方法を議論した。ウォレットアプリや分散型取引所(DEX)は禁止用語を排除すべきか?あるいは、ノードにはこうしたトークンを止める義務があるのか?といった点についてだ。
ウォレットによるフィルタリング
ソラナ財団(Solana Foundation)の戦略責任者であるオースティン・フェデラ(Austin Federa)氏はパネルディスカッションで、「選択とは、ウォレット開発者がブロックリストを制定する権利を意味する」とし、「どのエコシステムでも、ほぼすべてのウォレットはスパムNFTとスパムトークンをフィルタリングしている。ユーザーは自分の望むものを公にすることができる能力を常に持つが、コアネットワークはパーミッションレスのままである必要がある」と述べた。
フェデラ氏はインターネットに例えて、インターネットサービスプロバイダーが不快に感じる可能性のあるコンテンツをフィルタリングすることを期待するのは不合理だと述べた。結局のところ、インターネットは暗号資産(仮想通貨)と同様に、大部分がパーミッションレスをベースとして動作している。
フェデラ氏は、「(大手通信業者の)ベライゾン(Verizon)が、フィッシングメールが受信箱に届くことを防ぐ、あるいは人種差別的な内容である可能性のあるものにアクセスすることを防ぐ法的義務を負うとは誰も期待していない」とし、「ソラナはすべてアプリケーションレベルで行われる。表示したいコンテンツの種類を決定するのはウォレットだ」と述べた。
法律によるフィルタリング
Aave DAOのデリゲートでありサービスプロバイダーでもあるAave Chan Initiativeの創設者、マーク・ジラー(Marc Zeller)氏は違う見方をしており、欧州連合(EU)の法律ではコンテンツをフィルタリングする義務があると指摘した。
ジラー氏は、「例えばフランスでは、インターネットサービスプロバイダーには特定のコンテンツをブロックする法的義務がある」とし、ホロコースト否定論を例に挙げた。
ジラー氏は、「それが良いことだと言っているわけではないし、政治的になろうとしているわけでもない。異なる文化が同じ問題に対して異なるアプローチを持っていることを指摘するのは興味深いことだ」とし、「ブロックチェーンの理念に焦点を当てると、我々は言論の自由を支持し、不快なコンテンツを排除することよりも検閲に抵抗する方が重要だと考える傾向がある」と指摘した。
バリデーターやノードの検閲義務
フェデラ氏は、米外国資産管理局(OFAC)がイーサリアムブロックチェーンのトルネードキャッシュ(Tornado Cash)でのトランザクション(取引)や北朝鮮などの暗号資産ウォレットに制裁を課していることを引き合いに出し、一部のバリデーターやノードは一部のコンテンツを検閲する法的義務があると考えていると述べた。
これにはイーサリアムコミュニティ内で大きな議論がなかったわけではなく、OFACの指針に沿ってトランザクションの「検閲」に参加したノードを削減、つまりは制裁するという対抗策も提案されていた。
フェデラ氏はまた、人種差別的なミームコインが注目を集めているにもかかわらず、大局的に見ると暗号資産の規模に比べれば微々たるものだとも指摘した。
フェデラ氏は、「これはアメリカで、20人のメンバーからなるヘイトグループが教会の前に行って抗議活動をするのと非常によく似ている。そして全国ニュースで取り上げられて大事になる。しかし、見てみると人数は20人だし、参加者が望んでいるのは注目だけだ」と説明した。
参考資料:https://www.coindeskjapan.com/226512/
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Source: 仮想通貨情報局