ビットコイン投資家の市場心理は「ユーフォリア」に　ホドラーから新規投資家へと富の移転も

ビットコイン（BTC）価格は過去1年間で200％以上急騰し、3月13日には史上最高値の7万3000ドルを超えた。市場情報会社グラスノードによると、この上昇は長期保有者から新規投資家への資産ローテーションをもたらしており、投資家のセンチメントが「ユーフォリア（陶酔感）」に移行したという。

投資家のセンチメント「ユーフォリアゾーンに入る」

今週のグラスノードの「The Week Onchain」レポートは、ビットコインが2021年11月に記録した6万9000ドルの最高値をクリアしたことで、「歴史上4度目の新たなサイクルのATH（最高値）を記録した」と指摘している。

グラスノードは、ビットコインが7万2000ドルを超えたことで、このフェーズが「"ユーフォリアゾーン"に移行した」とのべた。このステージは「新たなATHを伴うことが多い」とされる。

これは、オルタナティブのデータによって補強されており、仮想通貨の恐怖・貪欲指数が「極度の貪欲ゾーン」である81にあることを示している。「極度の貪欲」ゾーンでは、「市場が上昇すると投資家は貪欲になりがちで、それがFOMO（見逃し恐怖症）を引き起こし、投機家が市場に参入する」という。

グラスノードは、「この瞬間は、投資家の行動パターン、特にホドラーと投機家の相対的なバランスにおいて明確な変化を引き起こす歴史的なトリガーだ」と指摘している。

「ホドラー層から投機家への富の移転」

グラスノードはまた、「ビットコイン強気市場の典型的な特徴」である「古い投資家から若い投資家への富の移転」を観察した。

下のチャートは、「数ヶ月から数年前に安価でBTCを蓄積した投資家」が、ビットコインが新たな最高値に達するにつれて、分配圧力を加速させたことを示している。「この富の移転は再び進行中で、最近3ヶ月以内に移動した"若いコイン"が保有する富の割合が、2023年10月以降138％増加している」という。

さらに、グラスノードのデータによると、新しいビットコインウォレットの数は1ヶ月の間に30万8743から47万5005へと54％増加し、この増加は同期間にビットコインが58％上昇したことと一致している。

グラスノードのアナリストは、2023年11月以降、短期保有者の供給が「+81万BTC」増加したと報告し、これは「長期ホドラーからの66万BTCの移転」と「私たちが監視する取引所の残高からの15万BTCの引き出し」の2つの源泉から来ているという。

「全体的に、この富の移転は、過去のビットコインサイクルすべてに非常に似た道をたどっており、所有構造の変化だけでなく、供給、需要、価格の間のダイナミックなバランスを表している」とグラスノードは述べている。

ビットコイン上昇が「利益確定」を引き起こす

BTCの年初からの70％の上昇は、長期保有者による利益確定を引き起こし、「短期保有者層からの同等の流入需要によってバランスが取られている」。これは「実現利益指標」の上昇によって示されている。

レポートは、「今週、オンチェーン支出を通じてロックされた実現利益の規模は統計的に高いレベルに達し、長期平均を標準偏差1を上回って取引された」と指摘している。

グラスノードによると、これは「ユーフォリア」フェーズの開始を示す兆候の1つであり、2017年と2021年の強気市場中に観察された。

グラスノードによると、実現利益指標は「顕著にプラスのレベルに跳ね上がり、利益確定とロングサイドのレバレッジ需要が高まっていることを示唆している」という。

クリプトスレートのアナリスト、ジェームズ・ヴァン・ストラテン氏によると、「短期および長期保有者の両方からの一貫した記録的な利益確定」により、「蓄積が発行をわずかに上回っている」という。これは3月11日に40億ドルに達した。

Source: 仮想通貨情報局