13日水曜日は春闘の集中回答日、賃上げに応じる満額回答が続出しました。そして、金曜日。連合は16時15分に回答一次集計の結果を公表しました。
賃上げ平均5.28%(昨年の賃上げ率3.8%を超え33年ぶりの高水準)
これですべては整いました。日本の金利政策が変わります。
日銀植田総裁のマイナス金利解除に向けての地ならし(メディア発言・新聞社リーク記事)の甲斐あって、市場は金利政策変更のマイナスインパクトをほぼ織り込んでいると思います。
金利上昇を嫌うリートや不動産セクターの上昇も、為替の円安進行も、市場がそれを織り込んだサインと言えそうです(このままトレンドが続くかはわかりません)。
おそらく、3月解除と併せて、「この決断は大規模金融緩和からの正常化が目的であって、金融引き締めではない。金融緩和スタンスは維持したままである」、このようなアナウンスメントを付け加えると思われます。
日銀のETF買い介入も同時終了するとの憶測もありますが、これは先送りすることで、市場への警戒を緩めないというメッセージと安心感を残すことにも繋がります。こちらも13日にTOPIX-2%超えでも下落介入しなかったことですでに織り込み済みと考えています。
解除発表後は、株も為替も一旦、逆方向へ振らされるのが常です。瞬間的な株安・円高・金利高の心づもりだけはしておきたいと思います。
「利上げ」ではなく、マイナス金利という特例の解除(実質0.1%の利上げ)に過ぎませんので、過剰反応があっても一時的なショックで終わると思います。
売り方の買い戻しで株高トレンドは春先に掛け継続すると現段階では考えています。中期的には小暴落を警戒、4月、5月は買い付け余力を多めにして長期的な買い場探りに繋げたいと考えています。
ここからは、短期的な投資スタンスについて話します。
現在できるリスクコントロールは140円台前半までの円高にも一応備えておくことだと思います。機関投資家はそれゆえのリスクヘッジに、ここ連日で石油・石炭などのエネルギー資源・紙パ・繊維・電力・商社への物色を広げていると思われます。
日本人による新NISAでの海外ETF・投資信託の買いの影響で少なからず円売り・ドル買い圧力が高まる(円安方向)と言われていますが、逆に今後は海外勢はドルを売り(円高方向)、日本の長期国債をリバランス買いするという考え方も存在します。
今のところ、新NISAマネーの5割が個別株に流れているようです。つまり、オルカンや全米株式に残り5割の買い付けが行われています。日本株復活のカギはここにあります。
金利正常化が追い風となる銀行株が今売られています。理由はいくつかあります。
まず一つ目が、年初から4割ほど先行高した株価への利益確定売り(配当期末買い戻し狙い)、二つ目が国内年金など機関投資家のリバランス売りです。長期目線では、イベント通過後、買い場探しのターンに入ります。
ちなみに、信託銀行(年金ファンドの売買)は先週-6865億円の売り越し、これで9週連続の日本株売り越しとなりました。GPIFなどのリバランス(調整)売りは今週でほぼ一巡したのではないかとのことです。短期的な需給状態は機を熟しつつあります。
最後に、株道が想定する、日経平均株価が仮に売り仕掛けで下落した場合の下値目処に触れておきたいと思います。
シナリオ①
最も確度が高いと思われるシナリオが、下方向のダマシ(3万8000円前半)が一時的に入って、その後上昇。ショートを踏み上げ(5営業日~数週間)、焼き切ったら再下落。
シナリオ②
日銀発表後、下落継続。75日移動平均線を試す値動き。3万7000円の支持が直近高値から約-10%(3,500円)下落したサポートライン。日柄と共に75日線も切り上がりダブルサポートがベスト。
マイナス金利解除後、上昇転換、新高値をとってくれる楽観シナリオが良いことは言うまでもないのですが、半導体というテーマ株を失っている地合いのままでは、値がさ株の指数押し上げ効果が機能しないため、かなりハードルが高い気がしています。
そのほかのハイテク値がさ株の上昇や、バリューの底上げに期待したいところです。
18・19日(火)日銀金融政策決定会合、続いて19・20日(水)に米FOMCが予定されています。為替・指数先物が荒れなければ良いのですが、そうもいかないでしょう。
円安・指数安で海外勢は割安に日本株を仕込むことができます。
なお、権利確定日の月末29日までは、日経平均の指数先物の値は配当権利落ち分の約250円が差し引かれた状態(上乗せで大きく下落している状態)なのだそうです。
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Source: 株道 - 人に教えたくない私の相場帳 -