2017年の強気相場では、イニシャル・コイン・オファリング（ICO）が大流行した。2021年の最後の強気相場は、分散型金融（DeFi）とイールド・ファーミングの成長によって支配された。現在、新たな強気サイクルが勢いを増している中、2024年はオンチェーンでより洗練された金融商品が登場するだろう。複雑なデリバティブから仕組商品まで、大手金融機関やトレーダーがデジタル資産の世界に参入する。
これまでのサイクルで見られたように、仮想通貨エコシステムは伝統的金融（TradFi）市場に密接に従う傾向がある。結局のところ、ビットコイン（BTC）はもともと代替支払システムとして設計された。ICOはさらに、1783年にさかのぼるTradFiの新規株式公開（IPO）から名前を借りている。
一方、DeFiエコシステムは、貸出、借入、イールド生成などの伝統的な金融サービスを模倣しているが、分散化された方法で行われる。したがって、より複雑な金融商品が最終的にWeb3で生まれのは自然なことだろう。
すでに、仮想通貨デリバティブ市場の印象的な成長が見られる。11月には、デリバティブの取引高が月間で37.3%増加し、2.58兆ドルに達したが、全体の仮想通貨市場に占める割合は9月の79.9%から73.3%に低下した。同時に、仮想通貨オプションの未決済建玉は新たな最高値を記録している。
この健全な回復と並行して、分散型無期限先物取引や革新的なリスク管理メカニズムなど、より洗練されたデリバティブ製品が登場している。これは来年のイノベーションの重要な領域になるだろうし、従来の製品を模倣する新しい複雑な製品の立ち上げも見られるだろう。
特に、エキゾチック・オプション、仕組商品、債務担保証券（CDO）などが、仮想通貨分野での成長が見込まれる。2021年にOpium Financeから試みられた仮想通貨CDOもあったが、仮想通貨の仕組商品市場は静かに盛り上がりを見せている。
しかし、これら複雑な商品は全体の仮想通貨市場のごく一部を占めているに過ぎない。例えば、オンチェーンの仕組商品は仮想通貨の時価総額のわずか0.21%を占めるに過ぎず、大幅に拡大する可能性がある。
では、これら革新的なデリバティブ製品への関心は何によって高まるのだろうか。2024年以降のこのトレンドには3つの主要な要因があると見ている。第1に、デジタル資産に対する機関投資家の関心が高まることで、自然とこの分野での需要と革新が促進される。伝統的なデリバティブ市場は、世界の総国内総生産（GDP）の約10倍と推定されており、ほぼあらゆる資産に対するデリバティブが利用可能だ。仮想通貨デリバティブ市場も、洗練されたトレーダーが参入するにつれて、同様の成長の勢いを見せるだろう。
第2に、仮想通貨の冬による緊張が和らぐにつれ、投資家は再びデジタル資産に対する大きなリターンを求めるだろう。しかし、今回はハッキングのリスクが高いため、イールドファーミングへの関心は減少すると予想される。代わりに、デリバティブや仕組商品への注目が向けられるだろう。これら複雑な商品は、100%以上の年率利回り（APY）という非常に高いリターンを提供することが多いが、イールドファーミングにはないものを提供する。それはダウンサイド・プロテクションだ。そして、これが最後のポイントにつながる。
2022年のテラ、セルシウス、FTXなどの崩壊後、戦い抜いた投資家は、自分の資産が煙のように消え去ることがないという保証を求めている。資本保護を備えた商品は魅力的に見える。仕組商品などの複雑な金融商品はしばしば資本保護を提供し、いくつかは「シャークフィン」構造のように保証されたクーポンを支払う。
仕組商品は、投資家が選んだ原資産の将来の進路について知識に基づいた推測をすることを基本的に可能にする。シャークフィン商品では、正しく推測すると大きなリターンが得られる。しかし、推測が間違っていても、投資家は自分のお金を取り戻し、小さなクーポンとともに立ち去る。唯一の問題は、彼のお金が不利な価格で原資産（例えばUSDTからビットコインへ）に変換される可能性があることだ。しかし、これはイールドファーミングの清算リスクと比べれば、はるかに苦くない薬だ。
この組み込まれた保護は、伝統的な金融市場で仕組商品が人気になった正確な理由である。少なくとも金融危機が複雑な投資商品への信頼を壊す前までは、1990年代に発売された際、その目的は投資家に合わせたリスクリターンの結果を提供し、幅広いポートフォリオに適しているとして、好評であった。
仮想通貨市場が成熟し、多様化されたポートフォリオ内でより予測可能なリターンに焦点が移るにつれて、これらの商品は再び脚光を浴びるだろう。2022年の出来事からまだ立ち直っていない市場では、資本の保全が多くの投資家にとってはるかに重要になっている。特に仮想通貨が主流になるにつれてその傾向は強まるだろう。需要は常に革新を促進するため、オンチェーンの仕組商品での新しい立ち上げや、新しい複雑なデリバティブプロジェクトの登場が期待され、これらの分野での資産の急速な成長を促進するだろう。これは現在の強気相場の決定的な革新の1つになるだろう。
参考資料：https://jp.cointelegraph.com/news/2024-year-crypto-investors-get-sophisticated-derivatives
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Source: 仮想通貨情報局