アメリカの暗号資産業界は、念願のビットコイン現物ETF(上場投資信託)の実現に一歩近づいた。29日、米連邦控訴裁判所の3人の裁判官は、グレイスケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)のETF転換を却下した米証券取引委員会(SEC)のロジックに「気まぐれ」かつ「恣意的」と衝撃的な判断を下した。
これは、暗号資産業界関係者が何年も言い続けてきたことだ!
コロンビア特別区控訴裁判所は、GBTCをETFに転換することを求めたグレイスケール・インベストメンツ(Grayscale Investments、米CoinDeskの姉妹会社)に味方した。より正確には、SECはグレイスケールの転換申請を見直し、再度却下するためには、より優れた理由を考え出す必要があるということだ。
SECへの厳しいコメント
暗号資産業界は、裁判所の判決のみならず、SECに対する厳しいコメントにも注目している。SECは「基準を満たさず」「説明不足」で、「十分な説明を怠った」。なかでもSECは、ビットコイン先物ETFを承認しているのに、ビットコイン現物ETFを承認しなかったことについて十分な説明をしていない。
さらにSECは、現物(スポット)と先物のビットコイン市場は99%相関しており、ビットコイン現物ETFの申請を100%却下する懸念は意味をなさないという事実に耳を傾けるつもりはないようだ。アメリカでは、世界最大の資産運用会社ブラックロック(BlackRock)が想定外のビットコイン現物ETF申請を行ったことで、多くのETF申請が続いた。
多くの人にとって、SECの暗号資産政策が現実離れしていることは明らかだろう。SECは何年もの間、ブロックチェーンのメリットや、非中央集権敵であることがアメリカの法律にとって、どのような意味を持つかを検討することに消極的だった。
今回の判決は、2つの大きな理由で重要だ。
まず1つ目は、ETFが重要なのは、より伝統的で規制された投資手段を提供することで、暗号資産に投資できる人の数を増やすことができるからだ。ビットコインが従来の、よく知られた証券取引所を通じて取引されるようになれば、傍観している数十億ドルの資本がビットコインを取引する可能性がある。
2つ目は、7月のリップル社をめぐる判決と同様に、米連邦控訴裁判所は、SECは暗号資産についての最終決定者ではないことを示した。SECが必ずしも、あるいは自動的に最終的な判断を下すわけではなく、裁判所や議会も法的解釈を示すことができる。ゲンスラー委員長が就任して以来、SECは威勢の良い発言を繰り返し、ビットコイン以外のすべての暗号資産はSECの管轄下にあると発言していることを考えると、今回の判決は重要だ。
暗号資産の定義
現実には、SECが暗号資産について、適切な管轄権を有するかどうかについては大きな疑問がつきまとっている。判決は、暗号資産の「コモディティ的」特性を強調し、規制当局として米商品先物取引委員会(CFTC)のポジションを引き上げるものだ。
ブルームバーグのトレイシー・アロウェイ(Tracy Alloway)氏はかつて、ビットコインを理想的な「ポストモダン」資産と呼んだことで知られているが、これが何を意味するかは視点によってさまざまだ。暗号資産は、人々の欲望を映し出す。暗号資産は現金のようであり、株式にコモディティであり、ミームであり、ムーブメントであり、ツールであり、次世代のインターネットのインターフェースであり、超近代的金融アーキテクチャのバックボーンでもある。自由主義者、進歩主義者、そして政治に無関心な人たちのものだ。つまり、暗号資産は矛盾の塊。
ETFほど、それが明確なものはない。ETFはビットコインを革命を促進するためのツールから、ウォール街の最新の売り物に変えてしまった。暗号資産を偏見に囚われたSECに任せたいはずがない。
参考資料:https://www.coindeskjapan.com/199420/
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Source: 仮想通貨情報局