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現実資産(RWA)のトークン化が投資に与えるインパクト

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現実資産(RWA)のトークン化が投資に与えるインパクト

ブロックチェーンが金融サービスに革命をもたらす多くの方法のひとつに、現実資産(RWA:Real World Asset)をトークン化する機能がある。この記事では、ブロックチェーン・テクノロジーが現実世界の投資商品をどのように構築し、取引し、追跡するのかを紹介する。

すでに金融大手(BNYメロン、JPモルガン、ブラックロック)がトークン化プロジェクトを宣伝し、支払いや決済の観点においてトークン化がもたらす効率性を認識している。しかし、トークン化された投資のより大きな可能性は、グローバルな機会への「分割化された」投資を通じて、金融を民主化し、より広範な投資機会を一般大衆にもたらす力だ。

トークン化:オルタナティブ投資を民主化する新たな市場インフラ

トークン化という言葉は聞いたことがないかもしれないが、上場投資信託(ETF)という言葉なら聞いたことがあるだろう。1993年の登場以来、ETFは伝統的な投資信託を凌いで、多くの投資家が資本市場にアクセスするために好んで使う投資手段となっている。ETFのラインアップの目覚ましい成長は、投資ビジネスを民主化し、それまでは大規模かつ最も熟達した投資家しか利用できなかった投資戦略や資産クラス全体へのアクセスを提供した。

しかし、ETFがカバーできない投資対象もまだ相当数存在する。プライベートエクイティ、プライベートデット、実物資産などのオルタナティブ投資は通常、流動性、投資家資格、最低投資基準額などに制約のあるプライベートファンドの形でしか利用できない。

2022年のフィデリティ(Fidelity)の調査によると、機関投資家は平均して約23%をオルタナティブ投資に振り向けているが、投資アドバイザーは約6%しか振り向けていない。伝統的な60/40ポートフォリオでは成長・収益機会が限られる環境では、オルタナティブ投資は投資家のポートフォリオを強化する貴重な構成要素となる。

このようなオルタナティブ投資にアクセスするためには、透明性、流動性、効率性を提供する「ETF」のような仕組みがあれば有益だ。そこで、トークン化と呼ばれるプロセスを通じて、ブロックチェーンテクノロジーが重要な役割を果たすことができる。

トークン化とは、未公開株、不動産、美術品、コモディティなどの現実資産をブロックチェーン上のデジタルトークンとして表現することだ。そうすることで、これらの資産は容易に取引や分割が可能になり、分割所有や流動性の新たな可能性が開かれる。伝統的な資産とデジタル資産の両方を網羅し、さまざまなリスク許容度や財務目標に対応した、より幅広い投資オプションを投資家に提供できる。

ブロックチェーンテクノロジーが解決するオルタナティブ投資の3つの重要な課題

  • 透明性:ブロックチェーンは、トークン化された資産の所有権と取引について、改ざん防止された変更不可能な記録を提供する。資産とその所有権の詳細は台帳上で一般に公開されるため、関係者はリアルタイムで資産の動きを検証・追跡できる。この透明性により、不正行為を減らし、市場参加者の信頼を高めることができる。
  • 流動性:トークン化により、分割所有が可能になり、投資家は資産全体を購入するために多額の資金を必要とするのではなく、資産の一部を売買できるようになるため、流動性が高まる。また、トークン化された資産は24時間365日、流通市場で取引できるため、全体的な流動性が高まる可能性もある。
  • 効率性:トークン化により、所有権の確認、決済、コンプライアンスなど、さまざまなプロセスの自動化が可能になる。ブロックチェーン上の自己実行契約であるスマートコントラクトは、所有権の移転を容易にし、資産管理の特定の側面を自動化することができる。この自動化は、効率性の向上と運用コストの削減につながる。

ひとたびオンチェーン化されれば、トークン化された資産は「DeFiフライホイール」に加わり、より多くの金融化の機会を生み出すことができる。例えば、トークン化された資産は借り入れの担保として機能するため、これらの資産を所有することによる資本効率を向上させることができる。

大手企業はトークン化のテストを開始している。例えば、KKRとハミルトン・レーンは、トークン化を専門とするフィンテック企業セキュリタイズ(Securitize)と共同で、2022年にトークン化されたプライベートファンドを立ち上げた。

フランクリン・テンプルトンは2021年にステラ(Stellar)ブロックチェーン上でトークン化されたマネーマーケットファンド(MMF)を立ち上げ、ポリゴン(Polygon)にも進出した数カ月後の2023年4月時点で2億7000万ドル(約392億円)以上を集めている。

シティグループは2023年3月の「Money, Tokens and Games(マネー、トークン、ゲーム)」レポートで、2030年までにトークン化されたデジタル証券市場が4~5兆ドル(約580兆円~725兆円、1ドル145円換算)規模に達すると予測している。

普及に向けた課題

トークン化の潜在的なメリットは数多いが、まだ開発の初期段階にある。現在のトークン化商品は、すべてウォールド・ガーデンの中、つまり特定のトークン化プラットフォーム上で発行・取引されており、これが幅広い普及を妨げている。

トークン化された資産の法的地位と分類に関する規制の明確化は、トークン化された資産を、どこで、どのように発行・取引できるかを決定する上で極めて重要だ。また、異なるプラットフォーム間での取引を促進するための市場インフラも整備する必要がある。さらに重要なことに、投資家の資産配分モデルを進化させ、現実資産に配分できる可能性を活性化したものにする必要がある。

しかし、ETFが投資を民主化したことと同様に、トークン化は技術的・金融的イノベーションであり、オルタナティブ投資を民主化し、小規模な個人の投資家がポートフォリオを最適化する機会をさらに広げる可能性がある。

参考資料:https://www.coindeskjapan.com/198039/ 

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Source: 仮想通貨情報局

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