ステーブルコインの世界は縮小を続けており、これが止まるまで、暗号資産価格の持続的な回復はあり得ないと、JPモルガン(JPMorgan)は5月18日の調査報告書で述べている。
ステーブルコインは、米ドルなどの別の資産にペッグされた暗号資産の一種だ。
ニコラス・パニギスツォグロウ(Nikolaos Panigirtzoglou)氏率いるJPモルガンのアナリストは、「アメリカの暗号資産に対する取り締まり強化、暗号資産エコシステムに対する銀行ネットワークの不安、昨年のFTXの破綻の余波といった逆風が、縮小を続けるステーブルコインの世界に重くのしかかっている」と書いている。
暗号資産価格は今年、好調なスタートを切ったものの、この1カ月で低迷し、業界全体の時価総額は4月13日の1兆2600億ドル(約174兆3000億円)から1兆890億ドル(約150兆6500億円)に減少している。
報告書によると、ステーブルコインの中のシェアを失ったUSDコイン(USDC)は、テザー(USDT)に取って代わられており、アメリカの規制強化が引き続きUSDコインに打撃を与えているという。
また、テザーの優位性はアメリカ証券取引委員会(SEC)がライバルのステーブルコインであるバイナンスUSD(BUSD)を禁止したことでさらに高まっていると、報告書は述べている。
JPモルガンによると、アメリカの債務上限問題によって、主要なステーブルコインの準備金と米国債の保有量に注目が集まったという。
アナリストは「主要なステーブルコインの準備金における米国債の割合は、時間の経過とともに増加しており、アメリカの技術的デフォルトという不利なシナリオにおいてステーブルコインがペッグを維持することが大きな課題であることを示唆している」と書いている。
このような不利なシナリオでステーブルコインが直面する問題は、暗号資産が取引や分散型金融(DeFi)へのアクセスを提供し、担保の供給源としての役割を果たすことを考えると、暗号資産エコシステム全体に影響を与えるだろうと報告書は付け加えている。
JPモルガンは、テザーが債務上限問題を緩和するために、そのステーブルコインの準備金を多様化しようとしたことに注目している。
参考資料:https://www.coindeskjapan.com/185730/
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Source: 仮想通貨情報局