世界4大会計事務所の1つ、KPMGの「Pulse of Fintech」2022年下半期レポートによると、暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーンは世界的に減速したにもかかわらず、シンガポールではフィンテック投資でトップの分野だった。
2022年の暗号資産分野の混迷の影響で、投資家が暗号資産ではないソリューションにシフトしているという重要なトレンドが明らかになったにもかかわらずだ。KPMGの調査結果でも、2022年下半期はテラ(Terra)、スリー・アローズ・キャピタル(Three Arrows Capital)、FTXの崩壊を投資家が噛み締めたため、「特に顕著な」減少が見られた。
シンガポールでは、暗号資産関連の資金調達は2021年の15億ドルから2022年には12億ドルへと21%減少している。世界的には、この分野への投資は2021年の300億ドルから2022年には231億ドルに減少した。
KPMGの金融サービスイノベーションおよびフィンテック部門のグローバルヘッドであるアントン・ルッデンクラウ(Anton Ruddenklau)氏は「上半期と下半期の変動は、投資家心理が急速に変化していることを浮き彫りにしている」と述べている。「しかし、ニュースはネガティブなものばかりではなかった。特にレグテック(RegTech)は、2022年に信じられないほどの投資が行われた」
レグテックの領域は、2021年に見られた121億ドルというこれまでの記録を大きく上回る、186億ドルという過去最高の投資額を集めた。報告書によると、この成長はデジタルまたは暗号資産関連の取引が正確で、透明性があり、信頼性が高く、コンプライアンスに適合していることを保証することを目的としている。
2023年について、KPMGは「暗号資産に特化した企業への投資は非常に低調に推移する可能性が高い」とし、投資が「暗号資産の活動に対する規制の枠組みがより強固な国や地域」へシフトする可能性があると予測している。
2023年に拡大すると思われる2022年からのトレンドの1つは、小売市場に焦点を当てたブロックチェーン企業から中小企業市場向けのソリューション提供に焦点を当てた新興企業への投資家のシフトだ。
「暗号資産への投資は2023年上半期に特に低調になると予想されるが、機関投資家のユースケース、クロスボーダー決済、ゲーム、NFTを含むブロックチェーンベースのソリューションの広い領域は、投資家からさらなる注目を集めるだろう 」とKPMGは述べている。
また、レポートではシンガポールなどで機関投資家向けの暗号資産事業を展開するアンバー・グループ(Amber Group)による3億ドルの資金調達(今年2番目に大きなウェルステック案件)を例に挙げ、フィンテック分野がより幅広い投資家層へのアクセスを拡大しつつある傾向を反映していると述べている。
参考資料:https://www.coindeskjapan.com/175149/
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Source: 仮想通貨情報局