ビットコインが史上最高値近くで取引されるなか、機関投資家が相対取引(OTC)でビットコインを購入する動きが目立っている。
暗号資産取引所を利用する個人投資家とは異なり、多くの機関投資家はOTC市場を利用してビットコインを取引していると、暗号資産分析企業トレードブロック(TradeBkock)のジョン・トダロ(John Todaro)氏は指摘する。取引所の利用を避けることで、価格に与える直接的な影響を軽減する狙いがある。
OTC取引は取引所での取引に比べると分かりにくいが、OTC取引のデータがなければ、すべての取引を追跡したり、計測することは困難だ。
OTC取引の活発化を示す3つの指標
ブロックチェーン分析企業のクリプトクワント(CryptoQuant)は、暗号資産のOTC市場の予測を行う上で、3つの重要な指標を作っている。
大手取引所コインベースの「コインベース・プロ(Coinbase Pro)」から大量のビットコインが移動する場合、6000〜8000ビットコインを保有するカストディ用のコインベースのコールドウォレットに移動する傾向があると、クリプトクワントのキ・ヨン・ジュ(Ki Yong Ju)CEOは述べた。
「アドレスを把握しているので、ホットウォレットに移動していないことは分かる。取引所ユーザーによる引き出しの可能性もあるが、5000ビットコインを超える大口の一括取引の99%は、社内での移動か、カストディ用ウォレットへの移動と言える」
例えば、大量のビットコインが12月12日に移動した際、8000〜1万5000ビットコインがコインベース・プロから他のコールドウォレットに移動しことが、データで分かった。規模の大きなOTC取引が行われたことを示しているとキCEOは説明する。
コインベース・カストディ(Coinbase Custody)はコインベースのOTC取引サービスとダイレクトに統合されており、顧客は資金を外部に動かすことなく、OTC取引サービスを利用できる。
マイクロストラテジー(MicroStrategy)と英投資会社ラファー・インベストメント(Ruffer Investments)の数億ドル規模のビットコイン投資も、コインベースが仲介していたことが明らかになっている。
長期的に投資
2つ目の指標である取引所の「資金フロー比率」は、3月の市場急落以降、減少している。この指標は、ビットコインの取引総額に対する、取引所での取引額を表す。数字が小さければ、取引所で行われた取引が少なく、代わりに相対取引(OTC)のような取引所外で取引されたことを意味する。
資金フロー比率が最後に現在の水準(約5%)になったのは、2019年1月にコインベースがOTC取引サービスを開始した時だった。
3つ目の指標、ブロックチェーン上で取引されたビットコインの総額は、増加を続けている。資金フロー比率の減少と合わせて考えると、機関投資家による大規模なOTC取引が「進行中」である可能性を示しているという。
「我々が目にしているのは、暗号資産市場に新たに参入し、ポジションを確立しようとしている投資家クラスの存在。彼らは下落局面を購入しているわけではなく、シンプルに、一貫して、長期的に投資している」」と、ビットワイズ・アセット・マネジメント(Bitwise Asset Management)のマシュー・ホーガン(Matthew Hougan)氏は述べた。
参考資料:https://www.coindeskjapan.com/92501/
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Source: 仮想通貨情報局