イーサリアムネットワークでトークン化されるビットコインの増加ペースが急激に鈍化した。沈静化するDeFi(分散型金融)ブームがその背景にありそうだ。
トークン化されたビットコインは10月末時点で、15万2000ビットコイン(約2400億円)。9月末から21%増加した。デューン・アナリティクス(Dune Analytics)のデータによると、10月にイーサリアムネットワークでトークン化されたビットコインは約3億6000万ドル(約380億円)で、9月の7億3700万ドル(約770億円)からは大きく減少した。
減少の大きな理由は、イールドファーミングの収益性が9月のピーク時に比べて急激に落ち込んだことだとメッサーリ(Messari)のビットコインアナリスト、ライアン・ワトキンス(Ryan Watkins)氏は述べる。
「カーブ(Curve)とユニスワップ(Uniswap)は成長の大きな原動力となっていた。しかし、両方ともイールド(利回り)は9月のピーク以降、著しく低下している」
一方、8月と9月に比べて10月は差がかなり小さくなったものの、トークン化のペースは3カ月連続でマイニングを上回っている。コインメトリクス(Coin Metrics)によると、10月は2万6256ビットコインがマイニングされ、一方で2万6267ビットコインがトークン化された。
シェアの8割を占めるトークン化ビットコインプロジェクトのWBTC(Wrapped Bitcoin)は10月、約2万6000のWBTC(ビットコインに裏付けられた、イーサリアム規格に準拠したトークンであるECR-20トークン)を発行した。9月は5万6000を超えていた。
現在、トークン化されたビットコインの総供給量は15万2000ビットコインを超えている(デューン・アナリティクスのデータ)。これは約23億ドル(約2400億円)に相当し、1月から1万8000%の増加となっている。
Source: 仮想通貨情報局