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ペイパル「暗号資産」市場参入 4つの課題──手数料、補償、カストディ、課税【ビットコイン】

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米決済大手PayPal(ペイパル)の暗号資産(仮想通貨)市場参入が、「暗号資産を決済法として広範囲に普及させるチャンス」として喝采を浴びる一方で、数々の問題点を指摘する声が専門家やコミュニティーから上がっている。現時点で議論されている重要課題は4つに整理できそうだ。

課題1 ペイパルアカウントからBTCが出せない「セルフカストディの問題」

現時点で最も議論されているのは、暗号資産の重要要素であるセルフカストディ(自己保管・管理)が不十分な点だ。

ペイパルのアカウントに保管できるのは、ペイパル経由で購入した暗号資産のみ。さらに他のアカウントへの移動や出金はできない。つまり暗号資産の実質的な管理権をにぎっているのは、所有者ではなくペイパルということになる。

そのせいか、既に一部の暗号通貨コミュニティーでは、ペイパルの暗号通貨サービスをボイコットする動きが出ている。

暗号通貨ウォレットのトレザー(Trezor)は自社のブログに「Why you should not use Paypal for Bitcoin(なぜビットコインのためにPayPalを使うべきでないのか)」という記事を掲載。「あなたの(暗号)鍵ではないでないなら、あなたのコインでもない」という基本原則を引き合いにして警告。また著名暗号通貨アナリストのプランBは「PayPalの”ニュース“は忘れたほうがいい。(ペイパルアカウントからビットコインが動かせないということは)ペイパルの中央データベースの中だけの話でしかなく、ビットコインとは別の話だ」とTweetした。

その一方で、このペイパルの施策については、ロイターが報じているように、「ボラティリティ対策を考慮した新しいシステム」との見方もある。

暗号通貨はこれまで、そのボラティリティの激しさから「決済には不向き」とされてきた。しかしペイパルは独自の為替レートをベースにドルなどの法定通貨で暗号決済を行うことで、「ボラティリティ問題の解決策となると確信している」という。確かに暗号資産の移動を制限することで、ある程度管理がしやすくなるのは間違いない。

またセキュリティ対策を狙う意図もあるだろう。米投資アプリのロビンフッド(Robinhood)や米決済サービスのスクエア(Square)のように、暗号資産サービスを限定することで、ハッキングによる流出やマネーロンダリングなどの金融犯罪が検知しやすくなる。コロナ禍で電子・キャッシュレス決済のハッキングや詐欺が増えている現在、念入りな対応策を講じているのはペイペルだけではない。

このような背景を考慮すると、ペイパルの暗号通貨サービスは「新しい決済法」と見なすべきなのだろう。ただ、暗号資産の普及を切望している投資家が不満を感じるのも当然だ。対立が続けば普及を妨げることになりかねない。

課題2 コストの高さ

次に挙がるのがコストの問題だ。ペイパルは利便性の高さと送金スピードをセールスポイントにしているが、実際は手数料や独自の為替レートの採用などによって割高になる。

たとえば米国内のセラー(売り手)は為替決済料として取引金額の2.9%+取引手数料30セント。海外送金・決済では為替レートのスプレッド(価格差)が課せられる。

暗号資産取引所OKコインのジェイソン・ラウCCOはTwitterで、同じことが暗号通貨サービスにも適用されると指摘。25~100ドル相当の売買につき2.3%の手数料に加え、スプレッドを加算した金額が実際の売買価格となる。バイナンス(Binance)やビットフィネックス(Bitfinex)など大手の手数料が0~0.2%であることを考えるとかなり割高だ。

2021年初旬から予定されている暗号通貨決済サービスでは、取引手数料も上乗せされる可能性がある。

課題3 売買・決済のたびに課税対象になる可能性

暗号資産コイントラッカー(CoinTracker)の税務戦略責任者シェハン・チャンドラセケラ(Shehan Chandrasekera)氏は、ペイパルが米ユーザーのアカウントを監視する許可を米税務当局から取得している事実とともに、ペイパルで暗号通貨を売買や決済を行った場合、課税対象となる可能性を指摘している。

米国内国歳入庁(IRS)は、ビットコインなどの暗号資産を「通貨」ではなく「資産」として分類しているため、キャピタルゲイン税の対象となる。

ユーザーがマーチャント(商品などを販売する法人・法人)から商品やサービスを購入するたびに、自動的に暗号通貨が法定通貨に変換されるためだ。たとえばペイパルのアカウントに保有しているBTCで、1万ドルの車を購入するとして、BTCは4年前に4000ドルで購入したもので、
現在は1万ドルに値上がりしている。この場合、BTCを保有していることで得た利益=6000ドルが長期キャピタルゲイン税の対象となり、送金プロセスで法定通貨に交換された瞬間、税率15%で算出すると約900ドルが課税される。

消費者には課税義務が生じるが、マーチャントは一切暗号通貨による決済プロセスに関与しないため、課税義務の対象外となる。

課題4 破たんや流出に対する補償がない

大きな懸念の最後の一つは、ペイパルは銀行違って破たんしても口座が保護されることがない点だ。暗号資産が流出しても補償はされない。

一般に、銀行や投資会社に預けられているお金は、連邦預金保険公社(FDIC=Federal Deposit Insurance Corporation)や証券投資家保護公社(SIPC=Securities Investor Protection Corporation)、その他の公的・民間の保険会社の保険が適用される。つまり銀行や投資会社が破たんしても、政府や証券保管振替機構の救済措置の対象となる。

しかしペイパルの規約と条件によると、ペイパルの暗号通貨預金は一切補償がない。つまりハッキングによる流出やペイパルの破たんなどでアカウントから預金が消えた場合、完全に泣き寝入りすることになる。

暗号通貨だから補償できないというわけではない。たとえばバイナンスは10月中旬以降、顧客の米ドル建ての資産をFDICの保険が適用される複数の銀行に保管することで保護している。

ペイパルが現在、暗号通貨サービス事業の拡大を計画しているのは明らかだ。ブルームバーグは、ペイパルがゴールドマン・サックスなどが投資する機関投資家向け暗号通貨ウォレット、ビットゴー(Bitgo)の買収協議中だと報じている。さらにペイパルは、2021年上半期には傘下の送金アプリVenmo(ベンモ)でも、暗号通貨サービスを開始することも明らかにしている。

しかし幅広く受け入れられるためには、今回挙げたような重要課題にはしっかりと取り組み必要がある。ペイパルはこうした議論に対するコメントを発表しておらず、今後の動向が注意される。

参考資料:https://www.coindeskjapan.com/85831/ 

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Source: 仮想通貨情報局

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