リップル社は15日、ブロックチェーンの決済領域に関するレポートの2020年版を公開した。前回調査と比較して、仮想通貨やブロックチェーン、ステーブルコイン、中央銀行デジタル通貨(CBDC)に関して肯定的な感情が見られたという。

リップルや世界22カ国854人の金融関係の経営者を対象に調査を実施。このうちの34%が決済関連のユースケースでブロックチェーンをすで導入していると回答。また24%が導入を検討しているとし、21%がパイロットブロジェクトや概念実証を行なっているという。

仮想通貨別の関心を聞いたところ、回答者のうち47%がビットコインに興味があると答え、イーサリアムは25%、XRPが19%となった。ただ、これは仮想通貨市場が過去最高値を記録した直後に行われた2018年の調査時と比べると、いずれの銘柄も関心度合いは低下している。2018年時点ではビットコインは71%、イーサリアムは45%、XRPは24%といずれも今回の調査よりも高い数値を示していた。

一方で、関心が高まっているのが中央銀行デジタル通貨(CBDC)やステーブルコインだ。2018年時点での関心はいずれも1%ほどだったが、今年はCBDCが45%、銀行発行のステーブルコインが35%、ノンバンクのステーブルコインが17%が関心があると回答した。

仮想通貨への関心が高まる一方で、高いボラティリティが金融業界の専門家の頭を悩ませているという。

「今年の報告書では、上位2つのデジタル資産、そしておそらく最もよく知られているビットコインとイーサのボラティリティの大きさが、回答者の認識に影響を与え、問題を引き起こしていることが明らかになった。回答者の大多数は、デジタル資産の信頼性には自信を持っているが、ボラティリティには懸念を持っていると答えている。成熟市場の回答者は最も強い懸念を持っており、61%が「非常に懸念している」と回答している。一方で中南米やとAPACでは懸念を示したのは半数以下だった。」

リップル社のレポートでは、ブロックチェーン技術には明確な規制がないこと、実装に当たってのコスト、セキュリティに懸念があると結論づけている。ただ、一部の地域では進展が見られると指摘した。

「特定の地域では規制面で大きな進捗がある。新興市場は、ブロックチェーンとデジタル資産を責任を持って使用することで、経済に大きな可能性をもたらすことを認識し、その主導権を握っている。間違いなく、どちら(ブロックチェーンとデジタル資産)もインターネットの影響と同様に、より大きな金融包摂と経済成長を促進するだろう。成熟した市場も同様に恩恵を受けることになる。」