仮想通貨取引所AAXの経営方針
ロンドン証券取引所グループ(LSEG)の技術を採用する暗号資産(仮想通貨)取引所AAXのThor Chan CEOが、日本市場の事業戦略と仮想通貨市場について見解を示した。
機関投資家の傾向と意欲について
近年、機関投資家の仮想通貨に対する需要は急増している。例えば米大手仮想通貨ファンド「グレースケール」が提供するビットコインの投資信託は、今年の第2四半期(4月から6月)に、過去最高の9億580万ドル(約1000億円)の流入額を記録。過去最高値だった第1四半期の約2倍増となった。機関投資家からの資本流入が8割を超えている。
この点について、AAXのThor Chan CEOは、機関投資家の動向について次のように語った。
多くのファミリーオフィスを始め、規模の小さな機関投資家もビットコインに対して好意的、ポジションを保持しています。
特に先物取引に強い関心が持たれていますが、機関投資家は小口投資家とは異なり、透明性、流動性、リスク管理システムの点で従来のデリバティブと同じ水準の先物商品を備える、規制されたプラットフォームを求めています。
私たちは、機関投資家が仮想通貨を大々的に採用するまでに数年かかると考えていますが、すでに準備を進めています。
コロナ後の市場について
新型コロナウイルスのパンデミック以降、各国政府が給付金を配布するなど金融緩和政策を打ち出しており、法定通貨インフレを懸念する声もしばしば聞かれるようになった。
そうした中、金融業界の仮想通貨に対する見方も変化しており、ヘッジ・ファンド業界のベテラン投資家ポール・チューダー・ジョーンズや米ナスダック上場企業MicroStrategyらがBTCに投資していることが明らかになった事例もある。
AAX Thor Chan CEO
ポスト・コロナの経済は、やはり以前までとは異なります。
ハイテク株や、デジタル資産(例えばDeFiトークン)が繁栄しています。ただし、市場はまだ安定していないこともわかります。このため、ビットコイン(BTC)だけを保有するより、先物市場でもポジションをとるトレーダーの数が増えるのではないでしょうか。
コロナ後の経済は、エネルギー、航空、健康、金融といった産業を再設計する上で非常に興味深い機会を提供します。コロナ危機が仮想通貨にも注目を集めていくだろうと信じさせる様々な要素があると私たちは考えています。
日本の証拠金取引におけるレバレッジ規制について
日本では、BTCマージン取引の「最大レバレッジ」が16倍から2倍に大幅に削減された。過剰な規制は、市場の流動性と企業の市場参入意欲を抑制し、投資家を海外に流出させるなどの問題もあると指摘されている。
AAX Thor Chan CEO
一般的に、デリバティブ取引の技術とは「リスク管理」に関するものです。
10〜20倍のレバレッジもボラティリティの余地を十分に残しますが、100倍のレバレッジは、トレーダーが突然の短い市場の動きを迅速に利用できるようにします。
私たちはユーザーがどのようにレバレッジを応用しているかについては認識していませんが、ユーザーを教育する責任はあると考えます。
また、デレバレッジ(資産の下落リスク回避のために、資産を売却し債務を圧縮すること)を自動で行うシステムや、その他、少なくとも小口トレーダーがリスクをよりよく管理できる手法の開発にも取り組んでいます。
日本市場が金商法で規制される中での差別化について
日本政府は昨年三月に、金融商品取引法と資金決済法の改正案を閣議決定した。仮想通貨の呼称が「暗号資産」に変更された他、関連業者には様々な義務が課せられる。
例えば、ネット上で管理する顧客の仮想通貨について弁済原資の確保を義務付け、証拠金取引について外国為替証拠金(FX)取引と同様に規制対象とする、また投機を助長するような広告や勧誘の禁止などがある。
AAX Thor Chan CEO
私たちは、ロンドン証券取引所のテクノロジーを使用した、非常に堅牢な取引システムを構築しました。
マーケットで最低水準の取引手数料、またビットコインとイーサリアムの貯蓄商品における最高金利も提供します。
私たちの独自な点は、最高品質の取引環境を最も低いコストで提供し、ユーザーが私たちの成長を一緒に体験するための様々な方法を用意したことです。
たとえば、「AAB」つまりAAXのネイティブ交換トークンを上場しています。AABの総供給量は5,000万です。私たちは毎日、先物市場で得た収益をすべて受け取り、それを使用してAABをバーン(減らして)しています。総供給量の50%が焼却されるまで、これを続けます。
紹介プログラムも用意しています。ユーザーが紹介した顧客によって行われたすべての取引で最大50%のコミッションを獲得できます。
今後数週間のうちにも、さらに多くの製品やサービスを発表する予定です。そのうちのいくつかはAAX独自の試みであり、追って詳細をお知らせします。
AAXとは
AAXは2018年に設立された仮想通貨取引所で、マルタに本拠地を置く。ロンドン証券取引所グループ(LSEG)のテクノロジーを採用した世界初のデジタル資産取引所で、LSEGの堅牢でスケーラブルな技術により、高いパフォーマンスと信頼性を提供する。
OTC取引、スポット取引、先物取引を用意、厳選された幅広い仮想通貨やデジタル資産を取り扱っており、安全性・流動性・高速取引も提供している。
ロシアと中国のユーザーが増加傾向
AAXでは、最近ロシアと中国のユーザーの増加を記録している。
2020年第2四半期の取引所レポートによると、第1四半期と比べ、ロシア語を使用するユーザーの割合は4%から8%へと拡大、また、中国のユーザー登録数も80%増加した。
特にUSDTに対する需要の高まりが見られており、AAXはUSDT預金商品の開発も行なっているという。この預金商品では、仮想通貨で利息を得ることが可能となる。
参考資料:https://coinpost.jp/?p=183518
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Source: 仮想通貨情報局