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Defi関連仮想通貨の価格形成論 フィスコが発表

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仮想通貨(暗号資産)の価値をどのように測れば良いのか?ファンダメンタルズがないと言われる仮想通貨業界にとっては、悩ましい問題だ。価格の分析であれば、チャートなどを活用したテクニカル分析でもできるが、「価値」となると明確な指針がある訳でない。配当や金利を生み出さない仮想通貨の投資評価は、配当割引モデルや割引キャッシュフローモデルなどに代表される従来の証券投資論では対応できないからだ。

しかし金融情報会社であるフィスコが、仮想通貨の価値算定ができない現状に風穴をあけようとしている。

仮想通貨の価格形成論

フィスコは、証券投資論、具体的には配当割引モデルを活用したDefi関連仮想通貨の価値を算出する手法を発表した。最近ブームとなっているDeFi(分散型金融)だが、DeFi関連の仮想通貨に対象を限定することで証券投資論の活用が可能になった。

DeFiでは、ユーザーが出した担保に対して利息を獲得したり、資産を借りたりできるイーサリアムのアルゴリズムを基盤にしたコンパウンド(COMP)に代表されるように、金利が付く場合が多い。

金利が付くのであれば、以下の配当割引モデルの「配当金」を「金利」に変えれば、Defi関連仮想通貨の価値を算出できる。

ただ、配当割引モデルを活用するだけでは、以下の2点でやや問題が生じる。

・配当割引モデル単体では価値が低く出やすい。
・Defi関連仮想通貨の金利は仮想通貨で支払われる。

「配当割引モデル単体では価値が低く出やすい」については、トヨタ自動車を例にとって考えると分かりやすい。トヨタ自動車の2020年3月期における配当は1株あたり220.00円。詳細は割愛するが、配当割引モデルの分母の部分を6%と仮定すると、トヨタ自動車の理論価格は220.00円÷6%で3666円ということになる。現在のトヨタ自動車の株価は7000円を超えており、配当割引モデルだけで説明できない。

「Defi関連仮想通貨の金利は仮想通貨暗号資産で支払われる」については、いわずもがなである。理論価格、配当金のいずれも(円建て)価格が決まっていないのであれば、答えの算出は不可能である。

フィスコでは、これを解決するために、「資金流入効果」、「ネットワーク効果」を活用している。

Defi関連仮想通貨を活用したビジネス創出により、使用される仮想通貨の保有量、つまり資金流入量の増加も想定することができれば、価値を評価する上で、「資金流入効果」、「ネットワーク効果」がドライバーになると考えられるためだ。「資金流入効果」、「ネットワーク効果」で価値の向上が継続し、円建て価格が算定できるのであれば、配当割引モデルの活用に意味を見出すことができるということだ。

資金流入効果においては、データが豊富な株式市場の事例が参照されている。それによれば、1985年から1989年まで東証1部の時価総額を約421兆円上昇させるのに、わずか20兆円の資金が流入した程度であるということが分かる。1年あたり約4兆円だ。資金流入量1に対して時価総額の増幅効果は20という計算になる。

 

東証1部の時価総額
(百万円)

時価総額増加分
(百万円)

現物+信用取引買い越し額(百万円)

時価総額増加分/買い越し額(倍率)

 

 

 

 

 

1985年

190,126,635

-

3,631,936

-

1986年

285,471,490

95,344,855

4,101,938

23.2

1987年

336,706,604

51,235,114

5,064,731

10.1

1988年

476,849,798

140,143,194

6,716,183

20.9

1989年

611,151,873

134,302,075

5,401,717

24.9

合計

-

421,025,238

24,916,505

16.9

「ネットワーク効果」とは、ユーザーの数が増えれば、経済価値が乗数的に向上するという視点に立った試算である。「ネットワーク通信の価値は、接続されているシステムのユーザー数の二乗に比例する」というメトカーフの法則を基にしている。

電話やインターネットなどネットワークの価値は繋がるモノが多ければ多いほど価値が向上するという意味合いで、電話を例に挙げると、世界で2人しか使用していなければ、「1対1」の繋がりしかなくネットワーク価値は限定される。一方、世界中で電話を使用する人が多い状況となれば、「ユーザー数×ユーザー数」という計算が可能でネットワーク価値は膨れ上がるわけである。実際、ユニークアドレス件数とビットコイン価格の相関は非常に高い。

フィスコでは、各Defi関連仮想通貨のビジネスの状況に前提を置き、「資金流入効果」、「ネットワーク効果」それぞれで各Defi関連仮想通貨の価値を算出、それを配当割引モデルに当てはめることで、理論価格の算出を行っている。代表例としてCOMPやMakerなどの価値が試算されている。

COMPの理論価値は?

COMPはイーサリアム基盤のDeFiプロトコルで、最もユーザーを集めるレンディングサービスのひとつである。DeFi Pulseによると、2020年9月2日時点で同ネットワーク内にロックされている資産額(USD)は約7.8億ドルであり、DeFiの中でMakerDAO、Aaveに次いで3番目に大きい。6月15日にガバナンストークンであるCOMPをユーザーに無償配布して、初めて市場に流通することとなった。

貸し手は担保資産となる仮想通貨を同ネットワークに預けると、金利も含めてトークン化(証券化)したCompoundトークン(cToken)を代わりに受け取る。このcTokenはERC20準拠であり、イーサリアム基盤のネットワーク内で自由に動かすことが出来る。フィスコは、以下の前提を置いて、「資金流入効果+配当割引モデル」、「ネットワーク効果+配当割引モデル」による価値試算を試みた。

「資金流入効果」からCOMPの価値を試算してみると、現状のCOMPの時価総額は3.5億ドル(1単位135ドル)程度であるが、例えば月間100万ドルほどの資金流入があれば、「資金流入額」を価値変動の主なドライバーとして、時価総額が年間で2,000万ドルほど押し上げられる計算になる。「資金流入効果」から見たCOMPの価値は、2021年末が266ドル、2022年末が298ドル、2023年末が337ドル、2024年末が382ドル、2025年末が437ドルと試算されている。「資金流入効果+配当割引モデル」による価格試算値は、これを10%の割引率で割り引いた現在価値で196ドルである。

「ネットワーク効果」からCOMPの価値を試算してみると、COMPについても、例えば月間のユーザー数が20%増えると、経済価値は44%増える計算となる。向こう1年のユーザー数が月間6%の増加率から3%増に逓減していくという見通しのもとでは、「ユーザー数」を価値変動の主なドライバーとして、経済価値は1年間で2倍になる。「ネットワーク効果」から見たCOMPの価値は、2021年末が284ドル、2022年末が315ドル、2023年末が350ドル、2024年末が389ドル、2025年末が432ドルと試算される。「ネットワーク効果+配当割引モデル」による価値試算値は、これを10%の割引率で割り引いた現在価値で165ドルである。

FSCCの理論価格は?

日本発のDeFi銘柄でもあるフィスココイン(FSCC)の理論価値はどうなるだろうか?先日、フィスコはステーキングのアプリケーション開発を発表。これはFSCCを保有する投資家が、特定目的法人にFSCCをロック(貸付)し、対価として金利を得る仕組みだ。

コインテレグラフジャパンは、フィスコの「配当割引モデルを活用したDefi関連暗号資産の価格形成論」を基に、フィスコが発行しているFSCCの価値試算を試みてみた。前提は以下の通りだ。

「資金流入効果」からFSCCの価値を試算(現状のFSCCの時価総額は23億円程度)。「資金流入効果」と配当割引モデルから見たFSCCの価値は、2021年末が62.7円、2022年末が84.7円、2023年末が115.1円、2024年末が157.6円、2025年末が218.4円と試算される。「資金流入効果+配当割引モデル」による価格試算値は、これを10%の割引率で割り引いた現在価値は284円である。

なお、FSCCの発行上限は5000万FSCCだ。2020年6月30日時点で、フィスコやフィスコ関連会社サンダーキャピタルが保有するFSCCは約3000万枚。これが株式投資における自社株という位置づけとなり、発行枚数から除外されるとしたら、「資金流入効果+配当割引モデル」による価値試算値は1万2488円になる。

「ネットワーク効果」と配当割引モデルから見たFSCCの価値は、2021年末が464.7円、2022年末が1421.3円、2023年末が2901.8円、2024年末が4901.3円、2025年末が7453.7円と試算される。「ネットワーク効果+配当割引モデル」による価値試算値は、これを10%の割引率で割り引いた現在価値は5020円である。

無論、ビジネスの前提の置き方によって、価値試算の数値は大きく異なってくる。ただ、これまで価値のアンカーが存在しなかったことを考えると、前提を置いた上での価値試算でも大きな意味がある。前提と乖離しているか否かで、物事を判断できるためだ。

参考資料:https://jp.cointelegraph.com/news/fisco-on-crypto-price-theory-related-to-defi-tokens 

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Source: 仮想通貨情報局

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