インドの大手仮想通貨取引所WazirX(ワジールX)は15日、マティック(Matic)ネットワークと提携し、初めて分散型金融(DeFi)商品の開発と販売に向けて準備を進めていると発表した。
コインテレグラフに共有されたリリースによると、ワジールXは新たに自動マーケット・メーカー(AMM:自動化された値付け)プロトコルを立ち上げる予定だという。同社のニスチャル・シェティCEOは今年9月末までにテストネットをローンチする予定だと話した。
AMMは従来の取引所で使用されているオーダーブックを置き換えることを目的としたスマートコントラクトの一種。ワジールXは、分散型エコシステムのアルゴリズムを使ってトークンが自動で取引されるような流動性プールを作ろうとしている。AMMはDeFiプラットフォームのユニスワップ(Uniswap)やカーブ(Curve)なども採用している。
Maticネットワークを選んだ理由については、イーサリアムよりもスケーラビリティが高く、スループット(処理能力)を提供している点を評価したという。
シェティCEOは今回の新たなDeFiプロジェクトを通じて、取引所の現在のユーザーと新しい機関投資家の資金を引き付けたいと話した。
ユーザーが取引所トークンであるWRXトークンを使って流動性プールに参加することを期待し、機関投資家がDeFiの流動性を利用して取引を実行できるようになるとしている。
シェティCEOはさらなる流動性のために、複数の流動性パートナーと提携することを明らかにしたが、具体的な名前は出さなかった。
現在のところ、DeFiの新製品はワジールXの取引所とは別々でローンチされるが、今後は「2つのプラットフォームのより深い統合」を計画しているとした。
インドをめぐる不透明な規制状況
インドでは2020年3月にインド最高裁がインド準備銀行(RBI)の仮想通貨禁止命令を違憲と判断した一方で、同年8月みはインド政府が仮想通貨取引を全面禁止する新法策定に向けて動いているとの報道も出ている。
ただ、こうした政府の動きについては、法案と通る可能性が低いとの声も出ている。
中国系仮想通貨取引所OKExのジェイ・ハオCEOはコインテレグラフに対し、同社のインドパートナーとの協議から、一律禁止の法案が通る可能性は低いとしている。
「我々はインドのパートナーを喜んでサポートし、規制当局と協力して、彼らの主な疑問や問題点を明確にする。そうすることで、この活況を呈している産業が繁栄し続けられる枠組みを構築できると期待している」
シェティCEOも、インドの仮想通貨市場をめぐる不透明な規制状況については、「インドにはポジティブな仮想通貨規制がもたらされると自信を持っている」と話した。
ワジールXは2019年に仮想通貨取引所バイナンスに買収された。2020年2月にはワジールXのP2P取引プラットフォームは、バイナンスとシステム統合している。
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Source: 仮想通貨情報局