イーサリアムトラストが暴落
米大手仮想通貨ファンド「グレースケール」が発行するイーサリアム投資信託(ETHE)は、6月の最高値から約70%ほど暴落していたことがわかった。
ETHEは、4日につけた年初来最高値259.52ドルから、24日には一時78ドルまで急落。最大-69.9%の下落幅を記録した。
イーサリアム投資信託(ETHE)は、主に機関投資家や大口投資家によってOTC市場で取引されている。
ETHEの一口は0.094ETHを裏付けする仕組みで、5月〜6月の間は買い需要の高さを背景に原資産から大きく価格が乖離。プレミアム(乖離率)は、一時1000%以上に及んだとされる。
一方、ETHEは暴落していたが、現物イーサリアムは6月4日〜24日の間、+0.8%と小幅高を付けた。
暴落要因
イーサリアム(ETH)現物が下落していなかったにも関わらず、ETHEが独自に暴落していたかは、ETHEの「ロックアップ期間」が影響しているという。
ETHEを購入する方法は、主に以下の2つ。
- 有価証券に対する適格投資家への私募で、ETHの市場価格を基準に一口0.094ETHの比例でETHEを購入。(現物ETHのロックアップ期間あり)
- 私募ではなく、ブローカーを通してOTC市場でETHEを購入。
私募で買う場合、ETHEを発行させるために、現物ETHは12ヵ月の間ロックアップされるが、プレミアム価格が無い状態で購入するメリットがある。つまりOTC市場で売却すれば鞘取りができ、プレミアムの利益が得られる。
今回ETHE暴落(プレミアムの減少)のタイミングがロックアップ期間が完了するのに際したことがわかった。預けていた現物ETHを回収するために、ETHEを売っていた。
イーサリアムへの影響は
ETHEが暴落していた期間、現物ETHは一時急騰していた場面もあった。
大手仮想通貨ヘッジファンドBlockTower CapitalのトレーダーAvi FelmanはETHEのプレミアム減退がイーサリアムの追い風になり得ると見ている。
Felmanによると、グレースケールに預けられたETH現物は基本、機関投資家(ファンド)がDeFiなどから借りているものである。そのため、ETHEの新規発行によってロックアップされるETHは市場サプライから一時的に「消える」。つまり、需給関係で供給数が減少することになるという。
また、Felmanは機関投資家がETHを借りることを空売り(ショート)の仕組みと例え、空売りと同様に最終的にショートカバーをする必要があるため、約2億ドルのショートポジションが買われていたと説明。よって、現物ETHの買い圧力が高まり、23日の急騰にも繋がったとしている。
参考資料:https://coinpost.jp/?p=162443
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Source: 仮想通貨情報局