大手投資銀行のゴールドマン・サックスは5月27日、投資家向けのオンライン会議で、ビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)を資産クラスとして認めていないとする考えを明らかにした。この会議では、 新型コロナウイルス危機におけるゴールドやビットコイン、インフレに対する現在の方針について議論された。
オンライン会議の前に発表された資料には、潜在的なデメリットとして、暗号資産に関連したハッキングや損失、そして「不法行為を助長」するために利用されることがあげられていた。
35ページで構成される同資料のうち7ページはビットコインに言及していたが、会議でビットコインについて触れた時間はわずか5分程度だった。資料の中でゴールドマン・サックスは、ビットコインのような暗号資産は「大きな関心を集めている」が、「資産クラスではない」と指摘。
キャッシュフローが欠如している
その理由として、債券とは異なりビットコインにはキャッシュフローが欠如していること、グローバルな経済成長に関連して収益を生み出すことができないことがあげられた。
ゴールドマン・サックスはまた、ビットコイン価格のボラティリティを指摘し、3月初旬に12カ月ぶりの安値をつけた例をあげた。同オンライン会議の数時間前、ビットコインは約5%上昇し、9200ドル近辺で取引されていた。
当然、暗号資産市場には、ゴールドマン・サックスの分析に対して異を唱えるアナリストが多くいる。
「(ゴールドマン・サックスの)分析はきわめて型にはまったもので、大手メディアの見出しを読んだだけの人が語るような内容だ。暗号資産を十分に精査していないようにも聞こえる」と話すのは暗号資産データ企業メッサーリ(Messari)のアナリスト、ライアン・ワトキンス(Ryan Watkins)氏。ワトキンス氏は以前まで投資銀行のモーリス・アンド・カンパニーでアナリストを務めていた。
政治とは無関係な投機資産
OVEXデジタル・アセット・エクスチェンジ(OVEX Digital Asset Exchange)の共同創業者トム・マソジャダ(Tom Masojada)氏 は、「ゴールドマン・サックスが『顧客にとって適切』と分類する多くの投資は、キャッシュフローを生み出さないものだ。後になって誰かがより高いお金を支払うかどうかに依存しているところが大きい」とツイートしている。
ブルームバーグの元株式アナリストで、暗号資産リサーチのデルフィ・デジタルを共同創業したケビン・ケリー氏は、「ビットコインには裏付けるものがないと主張することはできる」とした上で、「しかし、子供の遊びになぞらえることは、こうした新しい資産がもたらす主観的な価値を無視することになる」と述べた。
ケリー氏によると、ビットコインの現在の価値は「政治とは無関係な投機資産に対する需要」に支えられていると話す。
結論として、ゴールドマン・サックスは「ビットコインのボラティリティはモメンタム志向のトレーダーには役に立つかもしれないが、顧客の投資ポートフォリオを構成するための戦略としては」、ビットコインへの投資は勧めないとした。
参考資料:https://www.coindeskjapan.com/65000/
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Source: 仮想通貨情報局