お金を保管したり、投資するための最適な方法を見つけることは、個人(あるいは企業)のリスク寛容度に基づく主観的な訓練のようなものだ。
多くの投資家は、株式投資とは、長期的な平均リターンが重要で、前日比あるいは前年比の変動ではないと信じ、株価が下落しても投資を続けている。その他、長い歴史と安定したキャッシュフローのため、国債や社債の安全性を好む投資家も多い。
一部の投資家は、取引先リスクを懸念するようになり、銀行や仲介業者から資金を引き出して現金に変えている。その一方で、現金を不安視し、インフレや政府への信頼の欠如に対抗するためにゴールドに移行する投資家もいる。
そしてもちろん、少数だが、ますます多くの人たちが、可能な限り多くのシステムリスクを排除することを望んで、ビットコインなどのデジタル資産に移行している。
株式、債券、デジタル資産
これらの意見はどれも間違っていない。どれもメリットがある。
しかし、新型コロナウイルスのパンデミックが引き起こす不況はもはや不可避となり、そこから、株式、債券、デジタル資産の異なる価値の源泉が明らかとなるかもしれない。
これら3つはすべて今や、間違いなく新たな「資本構造」の一部だが、それぞれまったく異なる方法で価値を創造している。
■債券 = 資産を請求する権利
■株式 = 資産から負債を除いたもの、あるいは超過した利益/キャッシュフローを請求する権利
■デジタル資産 = 将来のサービスや顧客の成長を請求する権利
こうした背景を考慮すると、デジタル資産は不況に実際に影響を受けない唯一の資産クラスである可能性がある。
デジタル資産の世界では、企業やプロジェクトはトークンセールを通じて事前に資金を調達し、トークンが将来、どのようにして最終的に払い戻されるかという点で債務を生み出している。
トークンは製品の利用を可能にしたり、提供されたサービスのディスカウントに利用したり、場合によっては、将来の収益を直接請求することで経済的利益を得ることができる。
このプロセスは、ギフトカードを販売する企業に似ており、(事前に計上される)収益を加速させる傾向がある。だが、将来、提供すべきサービス/製品という点では企業に負債を生む。
航空会社のマイルも同様に、顧客はマイルを獲得(あるいは購入)できる。だが航空会社にとっては、将来的なサービス責任を生む。
注目すべきは、こうした将来のサービスは、不況時にもなくならず、つまりは、厳密には価値を失わないということだ。
平均以下の成長と平均以上のインフレ
世界的な封鎖によって引き起こされた厳しい状況は、需要ショック(顧客不足、失業)と供給ショック(生産不足)の双方を同時に生み出している。
株式価値を破壊し、債券の回収を破壊することで、企業に破壊的な影響を与えている。だがこれまでのところ、顧客ロイヤルティー(ギフトカード/航空会社のマイル)あるいは将来、サービスを請求する権利(トークン)にはほとんど影響を与えていない。
過去10年間は「すべてがバブル」と言われ、あらゆる資産が膨らんでいたため、ファンダメンタルズは重要ではなかったかもしれない。だが収益が低迷し、負債がキャッシュフローに影響を及ぼし始めるため、今後は重要になってくると我々は考えている。
こうした時期には、株式や債券の価値は、株価収益率(PER)の上昇だけでなく、実際のキャッシュフローと有形資産に依存していることを再認識させられる。
歴史的に、PER上昇にとっての最高の組み合わせは、力強い成長と低いインフレだった。だが我々は今、平均以下の成長と平均以上のインフレの世界に突入しつつある。
さらに、債券や株式を持つ大半の企業は、物理的な顧客と物理的な場所に依存しており、ほとんどの場合、サプライチェーンに依存している(一部のeコマース企業を除く)。
逆に、ほとんどの仮想通貨企業やプロジェクトは物理的な顧客、物理的な顧客、物理的なサプライチェーンを持たない。「真のデジタルワールド」の縮図だ。
デジタルへの移行
仮想通貨取引所から、ビデオゲーム、バーチャルワールド、分散型金融(DeFi)、ウェブ3.0まで、物理的なものからデジタルへの移行が起きており、新型コロナウイルスはこの進化をさらに加速すると我々は信じている。
あなたのマイルやギフトカードが、経済危機の間に消えたり、価値を失ったりしないように、デジタル資産の本質的な価値もなくならない。
トークンは、収益、利益、資産を請求する権利ではなく、将来のサービスを請求する権利。その結果、こうしたデジタルプロジェクトや企業のほとんどは、需要ショックや供給ショックの影響を受けないように見える。
いつの日か、我々は「デジタル資産は不況に強い」と言うようになるかもしれない。
もちろん、仮想通貨価格は下落する可能性はある。結局のところ、リスクはリスク。しかし基本的な意味では、デジタル資産は実際には価値を失っていないのに対し、株式や債券の価値は今、年初よりも間違いなく下落している。
デジタル資産は過大評価されていると主張することは間違いなく可能だが、それは過去6週間の出来事が原因ではない。
利益の減少によって、株式の価値は低下している。資産価値の低下によって、債券の価値は低下している。
法定通貨の価値は、大量の資金供給(量的緩和)によって切り下げられている。原油をはじめとするコモディティの価値は、経済活動の低迷によって打撃を受けている。
デジタル資産には、そもそも価値がなかったと主張することはできる。だが、その価値が今、下落していると主張することは難しい。
実際、真の価値が変化していない唯一の資産かもしれない。
参考資料:https://www.coindeskjapan.com/51017/
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Source: 仮想通貨情報局