アメリカでの規制に対する打開策
アメリカでは最近まで、ビットトレックス(Bittrex)・ポロニエックス(Poloniex)・ビットフィネックス(Bitfinex)・バイナンス(Binance)などの取引所で、自由に取引を行うことができました。
しかし、こうした中央集権型取引所は、アメリカ国内からの締め出しや、東大西洋地域の投資家への利用制限など、厳しい措置を課されて業務縮小を余儀なくされています。ポロニエックスは国際的な事業展開を続けていく予定ですが、アメリカ国内の顧客は早ければ11月1日にも取引が不可能となります。
中央集権型取引所がこのような状況に陥る中、分散型取引所やトークン取引プロトコルなどの規制を受けにくい特性を持つソリューションへの注目が集まっています。
右肩下がりの中央集権型取引所
アメリカの投資家たちは、中央集権型取引所での取引が不利なことに気づいています。取引できるプラットフォームが少ないだけでなく、利用可能なオプションが大幅に減り、2019年の市場情勢も的確に反映されていません。
ポロニエックスは、事業そのものからの撤退を迫られており、ビットレックスは取扱通貨に制限をかけられ、深刻なダメージを負っています。コインベースとクラーケン(Kraken)、バイナンスUSはまだ残っていいるものの、同様に制限が設けられており、利用者の需要を満たせなくなっています。
打開策の一つは分散型取引所
アメリカの投資家たちの不満を解消するための選択肢として、バーチャル・プライベート・ネットワーク(VPN)の使用と分散型取引所(DEX)の2つが存在します。
しかし、例えばバイナンスの分散型取引所へアクセスする場合、顧客はVPNを起動しなくてはならず、さらにこの不法なアクセスが発見された場合、資産そのものが凍結される可能性もあります。
法的観点からは、分散型取引所も中央集権型取引所と同様の規制ルールに縛られますが、充分な企業構造を持たないほどに分散化されていれば、アメリカの規制当局も手が出せないかもしれません。イーサリアム(Ethereum)ベースのDEXプロトコルであるユニスワップ(Uniswap)とバンコール(Bancor)は、そのUXと流動性を考慮しても、アメリカでの分散型取引所の第一候補と言えるでしょう。Bancorは、流動性の問題を、複数のスマートコントラクトを使うことにより、トークン間の取引処理を可能としています。
DEXへの期待と未だ残る問題
分散型取引所は仮想通貨界の宿願ですが、最近まではそれを使うデメリットが、メリットを上回っていました。しかし、顧客のニーズに応えられるほどに分散型取引の、UXも大幅に向上し、注文のマッチングも迅速かつ注文価格が滑ることも最小限に抑えられるようになりました。分散型取引所は非中央集権であることから、検閲や停止命令を受けにくい特性があり、中央集権型取引所の弱点であったシステムの脆弱性を回避できます。
昨今では、ジョン・マカフィー(John McAfee)氏がマカフィーDEX(McAfeeDEX)を開設していますが、これが、中央集権型取引所に取って代わるのかどうかは未知数です。
しかし、ほとんどの分散型取引所が1つのブロックチェーンに依存している状況は、チェーン間をまたいでの持続的な取引はできないことを意味しています。この問題に対しては、ビットコイン価格に紐づけられたイーサリアム上トークンであるラップド・ビットコイン(WBTC)のような回避策が、現在最も有望視されています。
中央集権型取引所で取扱いのある上位20位の仮想通貨とERC-20規格のトークンを紐づけて、分散型取引所でやり取りされるようになることが、アメリカの投資家たちが最も期待する形なのかもしれません。
参考資料:https://coinchoice.net/dex-replace-new-exchange-platform_201910/
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Source: 仮想通貨情報局