米ブロックチェーンテクノロジー企業R3は、イスラム資本市場向けの次世代金融アーキテクチャを構築するために、ドバイを拠点とするフィンテックスタートアップ、Wethaqと戦略的パートナーシップを結んだ。
「プラットフォーム・アズ・ア・サービス(platform-as-a-service=PaaS」を提供するWethaqは、R3のブロックチェーン「コルダ(Corda)」を利用することで、シャリア(イスラム法)に準拠した債券、イスラム債(スクーク)のプレセール、発行、管理、金融商品化を行おうとしている。
国際イスラム金融市場(IIFM)の「年次スクーク報告書2019(Annual Sukuk Report 2019)」によると、2018年に発行されたスクークの総額は、2017年の1167億ドル(約12兆4100億円)から5%増加し、1231億5000万ドル(約13兆953億円)に達した。
現在、スクークの発行には多くの銀行、清算機関、トラスティからのデータ入力が伴う。コルダがスクークをデジタル化することで、スクーク発行の「ライフサイクル」が効率化され、コストと時間が削減される。さらにコルダのグローバルな金融アーキテクチャによって、スクークがデジタル資産として標準化されることで、より広範囲への流通が実現し、ひいては発行者や投資家の増加につながる可能性がある。
R3のCEO、デビッド・E・ラター(David E. Rutter)氏は「ブロックチェーンは資本市場全体において、かつてないイノベーションの時代を突き動かしており、より多くの資産が完全なデジタル化に向かっている」と述べ、次のように続けた。
「我々はサウジアラビア、そして中東地域を、コルダが経済を近代化できる可能性を大いに秘めている地域だと考えており、Wethaqとの提携はその実現に向けた一歩です」
Wethaqは2018年に、スクーク管理用ブロックチェーンソリューションの概念実証に取り組み始めた。目的は分散型台帳を登録簿と証券集中保管機関として運用し、他の決済プラットフォームとの相互運用性を高め、市場参加者、プロバイダー、規制当局がコミュニケーションをとるためのネットワークを作り出すこと。
またWethaqは、管轄地域の機関とイスラム法機関から規制上の認可を求めた。規制が非常に厳しいイスラムの環境を踏まえると「ストラクチャそのものの中に実世界におけるイスラム法の要件を構築、および対応付けし『スマート条項』を含められるようすることで、イスラム法委員会にイスラム法遵守を確実にする機会を与える」と、R3とWethaqの共同報告書には記されている。
参考資料:https://www.coindeskjapan.com/18640/
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Source: 仮想通貨情報局