仮想通貨(ビットコイン)の歴史、始まりとは?
「仮想通貨」といえば、ビットコイン!とイメージする方が多いと思いますが、ビットコインが作られたのは2009年のこと。
ビットコインの生みの親と言われている「サトシ・ナカモト」によって、その詳細が記された論文がとある掲示板に残されたことがきっかけです。
では、これがビットコインなど仮想通貨の原点なのかと言われれば、実は違います。
ビットコインの原点はなんと1998年
1998年、ワシントン大学でコンピュータサイエンスの学位を取得したウェイ・ダイ(Wei Dai)という人物によって「b-money」の概要が発表されました。これまでのように政府に管理されている法定通貨ではない「お金のように交換できる媒体」の必要性を訴え、匿名性があり、分散されている暗号通貨のプロトコル(決まり)を説きました。
b-moneyが発表されたすぐその後、今度はコンピュータ科学者のニック・スザボー(Nick Szabo)という人物がb-moneyの仕組みからヒントを得た「ビット・ゴールド(Bit Gold)」について発表しました。
Bit Goldは分散性はもちろん、取引の合意方法であるコンセンサスアルゴリズム「Proof of Work(プルーフ・オブ・ワーク)」を取り入れ、その暗号方程式を解くためにコンピュータの力を使う…という方法が登場しています。
ただ、このふたつはともに発展せず、特にb-moneyは実際に開発が行われるための仕様書というわけではなく、ひとつの「考え方(概念)」として知られています。
サトシ・ナカモトについて
ビットコインの生みの親とされ、世界中で「サトシ」と呼ばれています。
漢字で「中本哲史」と表記されることもありますが、実はこの人、まったく詳細が分かっていません。
ひとりなのか複数人なのか、男性なのか女性なのか、個人なのか団体なのか、日本人なのかどうかも分かっていません。
2008年10月、サトシ・ナカモトがとある掲示板に9ページにわたる論文を残していきました。
そのタイトルは「ビットコイン: P2P電子通貨システム(Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System)」というもので、ここで初めてビットコインという名前が登場したのです。
間違いのないブロック生成に必要となるタイムスタンプ、コンセンサスアルゴリズムのProof of Work、データの格納方法であるマークルツリー、プライバシーの問題提起など、ビットコインをつくるさまざまな技術・要素が詰め込まれています。
ビットコインの始まり
サトシ・ナカモトの論文をもとに、ビットコインソフトウェアが実際に開発され、2009年1月3日についに運用が始まりました。
ビットコインの取引記録となるブロックがありますが、そのいちばん初めをジェネシスブロックと言い、ブロック内には2009年1月3日のイギリス新聞の見出し文章がメモされています。
これが、仮想通貨の始まりです。
アルトコインの始まり
ビットコインはこのようにして2009年1月3日にそのネットワークが稼働しましたが、他の仮想通貨(アルトコイン)はどのような始まり方だったのでしょうか?
ライトコイン(LTC)
ビットコインをベースにしたライトコインは、元Googleのエンジニアであるチャーリー・リー(Charlie Lee)氏が創設者のアルトコインです。ビットコインのデメリットを補う仮想通貨として、2011年10月に誕生しました。
ブロックの生成間隔が約10分となっているビットコインに対し、ライトコインはさらに多くの取引をスムーズにという意味から、生成間隔が2分半になっています。さらにマイニングも、必要とするマシンのパワーを抑えるためにスクリプト(scrypt)というハッシュ関数を使っていることも大きな違いです。
イーサリアム(ETH)
2013年、当時大学生だったヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏によって構想が示され、2015年にリリースされた仮想通貨です。
通貨としての役割を持っているビットコインとは違い、イーサリアムは契約機能をプラスしたスマートコントラクトが実装できるプラットフォームとなっています。段階的にアップデート(フォーク)を繰り返し、将来的にイーサリアム2.0という新たなチェーンとして生まれ変わることが分かっています。
リップル(XRP)
Ripple社によって開発された送金・決済システムで使われる仮想通貨です。リップルのプラットフォーム開発は2004年から、実際にXRPが発行されたのは2013年のこと。マイニングをして新規発行を行うビットコインとは違い、あらかじめ1,000億枚が発行されています。
ビットコインと同じく、今では知名度も人気もかなりアップしている主要アルトコインたち。それぞれが違う特徴を持ち、違う用途で少しずつ各々の道を進んでいます。
ビットコイン(仮想通貨)の価値とは?
さて、ビットコインをはじめとした仮想通貨が開発・発行されて数年が経っています。手に持って店頭で支払いをする日本円のような法定通貨とは違い、ネットワークの中に存在するのが仮想通貨。
そんな不確かなものが今のように「価値」を持ったのは、なぜでしょうか。
きっかけとなったビットコイン・ピザ・デー
2009年1月3日に稼働したビットコインですが、その実質的な価値が見出された一件が2010年5月22日の「ビットコイン・ピザ・デー」です。
アメリカのプログラマーが、ビットコインフォーラムという掲示板で「ビットコインとピザを交換しないか」と投稿したところ、イギリスの方がこの誘いに乗ったのです。イギリスの男性はビットコインと引き換えにピザを注文、アメリカのプログラマーへとピザが届けられました。
ビットコインとピザが直接交換されたわけではなく、あくまで代理購入ではありますが、これがビットコインの実質的な価値がついた一件となりました。
危機を乗り越え、価格・人気ともに上昇へ
仮想通貨は、これまでに幾度となく大きなピンチを乗り越えてきました。
マウントゴックス事件、ダオ(The DAO)事件、ビットコインキャッシュハードフォーク、Segwit2x事件、チャイナショック、コインチェックやザイフ(Zaif)のハッキング…。
思い返すことができる大きな事件だけでも、たくさんありますね。そのほかにも海外取引所でのハッキングは何度も起こっていますし、ドルペッグ通貨・ステーブルコインであるテザー(USDT)に関する疑惑もまだ払拭されていません。
しかし、そのたびに世界中の人に仮想通貨という存在が知られることになり、徐々にユーザーを増やしながら今に至ります。
その価格変動(ボラティリティ)の大きさから投資(投機)方法として着実に人気を得ていることはもちろん、実際に国境関係なく決済・送金ができるツールとして使われるようになってきています。
2017年、仮想通貨の人気とバブル
不確かな存在とも言えるビットコインの価格ですが、2017年11月の終わりには100万円を突破、その3日後には120万円を突破、そして年末には1BTC=240万円ほどにまで急騰。
なぜこんなにも急激な価格上昇が起こったのでしょうか?
先物取引が認可・スタート
アメリカの大手仮想通貨取引所コインベース(Coinbase)のほか、シカゴ・オプション取引所(CBOE)やシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のビットコイン先物取引がスタートしたことで急激にビットコインの知名度が上がり、投資対象として注目されるようになりました。
ビットコインETFへの期待
アメリカの取引所ジェミニ(Gemini)を運営するウィンクルボス兄弟や、ヴァンエック(VanEck)社・ソリッドエックス(SolidX)社がCBOE取引所を通じて、ビットコインETF(上場投資信託)の申請を行いました。
もし認可されれば機関投資家が仮想通貨の世界に参入しやすくなるため、大きな期待が寄せられました。
フォークコインの乱立
2017年8月1日にビットコインキャッシュが誕生したのを皮切りに、ブロックチェーンから派生して生まれる「フォークコイン」が乱立。
ビットコインゴールド、ビットコインダイヤモンド、ビットコインプラチナ…さまざまなフォークコインが誕生し、混乱する場面も。
元のチェーンのコインを持っているユーザーにはフォークコインが付与される仕組みになるため、フォークコイン欲しさにビットコインが買われたことも、価格上昇の一因ではと言われています。
日本でもメディアへの露出が
コインチェックのCMが放映され始めたのも、ビットコインの急騰が始まったころ。家電量販店のビックカメラでもビットコイン決済が導入されるなど、日本でも徐々にビットコイン(仮想通貨)の認知度が上がっていました。
相場の過熱感、儲かるというイメージ
ビットコインは1日1,000ドル(約11万円)ペースで価格が上昇したこともあり、止まらない価格上昇に危惧の声も。ビットコインに引っ張られるように、各主要アルトコインも軒並み価格が上がり大きな話題になりました。
このことから、ビットコイン(仮想通貨)は怪しいイメージから「儲かる」というイメージにシフトされるように。
さまざまな理由でビットコインをはじめ仮想通貨全体の急激な価格上昇がありましたが、2018年に入ってから第二次チャイナショック、各国の規制、コインチェックのハッキングなどの事件が相次いで急落したという経緯があります。
仮想通貨の今とこれから
ビットコインが誕生して、今年で10年が経ちました。
価格のみに目を向けられがちな仮想通貨ですが、実際に「通貨」として使われる場面は着々と増えています。食事の代金を支払う、家電製品の代金を支払う、人へのお礼や支払いとして送金される、さまざまなシチュエーションがあると思います。
イーサリアム、ライトコイン、リップルといった人気の主要アルトコインの中にも大きな方向転換を考えているものもあり、それがどのような評価を受け、その結果、衰退していくのかもしくはさらに発展していくのかは分かりません。
数年経てば電子マネーのように当たり前に使われる存在になっているかも…と期待しながら、技術のさらなる発展を見守っていきたいものですね。
参考資料:https://coinchoice.net/history-of-bitcoin-and-altcoin/
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Source: 仮想通貨情報局