世界中で多くの人々が利用するチャットアプリ「テレグラム」は、早ければ19年3月にブロックチェーン技術を使ったプラットフォーム「テレグラム・オープンネットワーク(TON)」用のメインネットとトークンをリリースする予定だ。テレグラムの創業者兼CEOのパヴェル・デュロフ氏に近い関係者がコインテレグラフに語った。
テレグラムは、1か月あたりのアクティブユーザー数が2億人を超え、世界で最も人気の高いチャットアプリの1つだ。テレグラムは昨年、ブロックチェーンプラットフォームの資金調達のため、プライベートICOを2回行い、計17億ドル(約1860億円)を調達した。
コインテレグラフが取材した関係者によれば、デュロフ氏はTONのリリース日について具体的日程を決めることに消極的であり、3月リリースという予定が変更される可能性があるとも強調した。
一方、ロシアのビジネスニュースサイト、ベル(The Bell)の報道によると、デュロフ氏のチームは、TONの準備は90%完了しているが、「開発に内在する革新的性質」ゆえにリリースが延期となる可能性があると投資家たちに話していたという。
これまでに明らかになっている情報によれば、TONの目標が「データ交換の新手法」であり、TONの独自仮想通貨「グラム(Gram)」がTON上で使うことになる予定であるとしている。
プライベートICOで巨額資金を調達
17億ドルを調達したテレグラムのICOは、EOSによる計40億ドルのICOと並び、18年を代表する巨額ICOの1つだった。
テレグラムは18年5月、先行して実施したプライベートICOが驚異的成功を収めたため、18年後半に予定していたパブリックICOの中止を決定した。
ロシアの大富豪でサッカーチーム「チェルシーFC」の元オーナー、ロマン・アブラモビッチ氏がテレグラムのプライベートICOに参加した投資家として囁かれているが、これまでにテレグラムのプライベートICOに参加したことを公表している投資家は、資金決済サービスのキウィ(Qiwi)共同創業者のセルゲイ・ソローニン氏と、乳製品大手ウィム・ビル・ダン・フーズの共同創業者であるデビッド・ヤコヴァシュヴィリ氏の2人だけだ。
イラン・ロシアはテレグラムに強硬姿勢
昨年10月、TONが「70%準備完了」したとのニュースを受け、イラン政府はテレグラムに対する制限を強化し、仮想通貨グラムのローンチに協力するような活動は、いかなるものであっても国家安全保障や国家経済に脅威を与えるものだと発言した。イランでは18年4月からテレグラムの使用が禁止されている。
イランのほかに、デュロフ氏の出身国ロシアでも、18年4月以降、テレグラムは使用禁止となっている。禁止の理由は、デュロフ氏が地元の電気通信法に従って当局にテレグラムの暗号化キーを提供するよう求められたが、これを拒否したためだと当局は説明していた。テレグラムが禁止された時点のデータによると、テレグラム利用者のうち約1000万人がロシアを拠点としていた。
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Source: 仮想通貨情報局