今日は9月11日です。今から17年前の2001年9月11日、ロンドン番でイギリスの銀行の東京支店のディーリング・ルームに一人でいた時にその事件は起きました。完成当時世界一の高さを誇ったNYワールド・トレード・センターのツイン・タワーに飛行機が突っ込んだ、と言うのです。テレビでニュースを見ていると、もうもうと煙の上がっている超高層ビルに、スローモーションのようにもう一機の大型旅客機が吸い込まれていきました。
まるで特撮映画を見ているような画面で、あまり現実感がなかった事を覚えています。
同僚のアメリカ人は真っ青な顔をして固まっていました。
銀行の顧客からは何が起きているのか、為替相場はどうなっているのか、という電話がかかってきますが、こちらもテレビで見る以上の情報はほとんどない中、為替市場はほとんど取引できない状態になっていました。
その後ドルは120円台付近から約10日で116円付近まで下落しましたが「愛国のドル買い」が出たとされて、パニック的な動きにはなりませんでした。
為替市場の仕事に30年以上携わっていますが、あんなに恐ろしい事件と、不気味に静かなマーケットはあの時だけです。事態が分かった時には、誰もがドル売り、と考えましたが、ポジションを手仕舞う動きはありましたが、この事件に絡んで利益をあげたい、とは誰もが考えなかったようです。債券関係の人が多かったと思いますが、金融市場関係者が非常に多く犠牲になったせいもあると思います。
そんな人間臭さの残る為替市場はもうないのかもしれませんが、毎年この日にはその日の事を思い出してしまいます。
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Source: 高野やすのりののりのりFX