ビットゲットリサーチによると、ディープフェイクや詐欺による仮想通貨の損失が2024年には250億ドル(約4兆219億円)を超える見込みだ。これは昨年の損失の2倍以上になる。
ビットゲットのレポートによれば、2024年に世界中のディープフェイクの数が245%増加した。ビットゲットは、2024年第1四半期に中国、ドイツ、ウクライナ、米国、ベトナム、英国で最も多くのディープフェイクが検出されたと指摘している。また、仮想通貨業界では前年同期比で217%の増加が見られた。
ビットゲットリサーチによると、ディープフェイクによる仮想通貨の損失は第1四半期で63億ドル(1兆135億円)に達し、2025年には四半期ごとに100億ドル(約1兆6087億円)に増加すると予測されている。
ビットゲットのグレイシー・チェンCEOは「ディープフェイクは仮想通貨セクターに急速に浸透しており、適切な教育と意識がなければ対策は難しい」とコインテレグラフに語った。
興味深いことに、ディープフェイク詐欺師たちはその手法を大きく変えていない。仮想通貨の損失の多くは、偽のプロジェクト、フィッシング攻撃、ポンジスキームといった形で発生しており、ディープフェイク技術が仮想通貨投資家の信頼を得るために利用されている。過去2年間で、この方法がディープフェイク関連の仮想通貨損失の半分以上を占めている。
「影響力のある人物を偽装することで、これらのスキームは信頼性とプロジェクトの資本力を誇示し、被害者からの大規模な投資を得ることができる」とビットゲットリサーチはのべた。
マイクロストラテジーの創業者であるマイケル・セイラー氏は、詐欺師たちの人気のターゲットとなっている。セイラー氏は1月に、自身のチームが毎日約80本のAI生成の偽動画を削除していると語った。これらの動画は通常、ビットコイン(BTC)関連の詐欺を宣伝するために使用される。
ビットゲットは、ディープフェイクがサイバー恐喝、なりすまし詐欺、市場操作など他の方法でも利用されていると指摘している。例えば、インフルエンサーやニュースキャスターの偽の声明を使ってトークンの価格を操作しようとすることがある。しかし、これらは仮想通貨詐欺に比べてはるかに小さい割合だ。
ディープフェイク犯罪が増加する懸念
ビットゲットは、効果的な対策がなければ、2026年までに仮想通貨犯罪におけるディープフェイクの使用割合が70%に達すると予測している。
ビットゲットリサーチの主任アナリストであるライアン・リー氏は「犯罪者たちはますます偽の写真、動画、音声を使って被害者に強い影響を与えている」とコインテレグラフに語った。
「例えば、被害者の近親者を偽装した動画は詐欺師にとって重要なものになるだろう。インフルエンサーの偽動画は詐欺プロジェクトへの投資家の信頼を強化する補助的なツールとなる」とリー氏はのべた。
リー氏は、ディープフェイク技術に関するもっとも差し迫った懸念の一つは、AIによる音声なりすまし詐欺であり、詐欺師がユーザーの親族を装って金銭を要求することだと考えている。
また、ディープフェイクが顧客確認(KYC)手続きを回避してユーザーの資金に不正アクセスする可能性もある。「今、取引所はKYCシステムの『生存証明』機能に注意を払う必要がある」とリー氏は語った。「この機能は、ユーザーが静止画像や動画ではなく実際の人間であることを、瞬きや動き、二次的な『生存証明』要求などのリアルタイムの行動を通じて確認するものだ」とリー氏はのべた。
「我々は登録時にすべてのユーザーに、ディープフェイクの使用を迅速に特定し防止するための高度なAIソリューションを使用していることを警告している」と彼は付け加えた。
参考資料:https://jp.cointelegraph.com/news/crypto-losses-deep-fakes-may-reach-25-billion-this-year-bitget
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Source: 仮想通貨情報局