イーサリアムのマイニング報酬を減少する EIP-1234
このEIPではコンスタンティノープルでのブロック報酬とディフィカルティボムの調整が提案されています。ディフィカルティボムの調整は大型アップデートごとに行う必要があるため必須事項です。大型アップデートの期間が1年から1年半であることからディフィカルティボムの調整は次の移行のために15秒へと調整されます。
EIP-1234ではマイニング報酬を現在の 3ETHから2ETHへの減少 を行い、イーサリアムがブロックタイムを15秒という短い時間でセキュリティを保つために必要な“アンクルとネフュー報酬”も適切に調整されるというものです。
マイニング報酬を5ETHに再調整する EIP-1227
この提案ではメトロポリスのビザンチウムの前バージョンである“ホームステッド”や“フロンティア”と同様の5ETHへとマイニング報酬を戻す提案で、それに伴いアンクルとネフュー報酬も調整をするというものです。更にこのEIP-1227では「ディフィカルティボムを永久に停止する」というものが含まれています。
つまりEIP-1227とEIP-1234は根本的に逆の提案がされていることになることがわかります。オリジナルの提案はEIP-1227となり、EIP-1234はそれを元にした提案となります。
EIP-1227とマイナー視点からの問題
では両者の主張を考察してみます。EIP-1227はまさにマイナー視点といえるでしょう。現在イーサリアム価格は世界的に見ても収益率が低く、Casperへ移行するまでにこのままでは先行投資した額を回収することさえ難しくなっています。
コンスタンティノープルに移行するにあたって発行枚数の制限や報酬の引き下げが多く上がるのはマイナーにとってより苦しい展開となります。ですがこれは一時的なものであり、発行数が増えるというのは単純に売り圧があがることになるためCasperへの移行までに利益を多く稼ぎたいという意図が見とれます。
ディフィカルティボムを停止するということはすなわち大型アップデート時に残ったチェーンに残るマイナーが出てくるということになり、当初のイーサリアムのロードマップから逸脱したことになるため受け入れられないでしょう。
マイナーの収益性を上げるとどうなるのか
それではマイニング収益性が悪いことを前提にし、3ETHから5ETHへ報酬を戻した場合を考えてみましょう。1日は86,400秒、1ブロックを生成するのには平均15秒、1ETHを5万円で固定した場合
86,400秒(1日) ÷ 1ブロック 15秒 = 5,760ブロック
5ETH (約250,000円) * 5,760 = 14.4億円
・・では3ETHの現在の場合は
3ETH (約150,000円) * 5760 = 8.64億円
・・では2ETHとなるEIP-1234の場合は
2ETH(約100,000円) * 5760 = 5.76億円
となり、5.76億円もの差が出ます。確かにマイナーの報酬は40%ほど増えることになりますが、新規発行分はマイナーが受け取るため、同時に売り圧が40%増えることになります。つまり目先の利益を優先するマイナーの売り圧によりイーサリアム価格は下落または高騰できないことになってしまいます。
逆にEIP-1234の2ETHの場合は約34%売り圧が減ることとなりイーサリアムの市場供給数を減らすことで、需要に対する価格の上昇が見込めることになります。
グラフにすれば一目瞭然で、発行上限が明確に決まっていない以前のイーサリアムはインフレ型であり、需要が増えても発行が上回るため価格が上がりづらい傾向がありました。
対してCasperに最終的に移行した場合はゆるやかな上昇となり、価格が安定するまたは需要が増えることで価格が上昇するという形になります。
先を見た開発とマイニング報酬を減らす意図
ではインフレ型はなぜ問題があるのでしょうか?
上記で述べたように、価格が上がらないからマイニング報酬を増やすという提案はイーサリアムの今後において大きな問題があります。
当初のバリデーター(マイナーに変わってブロックを生成する)のデポジット数は1000~1500ETHでしたが、現在のイーサリアム価格は3分の1以下に下落しています。つまり1ETHが15万円の時、必要最低コストが1.5億円だったのに対し、現在では5000万円まで要求が下がることになります。
つまりPoSで悪意を持ってイーサリアムを攻撃するには大口マイナーであるほど用意で、イーサリアム上で多くの資金を集めて独自チェーンに移行したプロジェクトなどは自身のオリジナルチェーンの優位性を示すためにイーサリアムを攻撃するインセンティブを持つということです。
このようなリスクを防止するために、Casperへの移行はETHの発行数を減らすことで価格を安定させ、上昇することでセキュリティをより一層上げることを目的としています
iFIshYunYuというトークンによるトランザクションスパム攻撃が上記に類似します。
結論と考察
あくまでイーサリアムは多くのDappsやプロジェクト全体を一つのエコシステムとしたワールドコンピュータとしてのセキュリティが重要であり、収益性を高めることでセキュリティが下がるということは一部中央集権的になるとしても許容されないでしょう。
またイーサリアムのような大規模開発と実利用がされているブロックチェーンでは今後数十年先までの新たなインフラ構築であり、目先の利益にとらわれてネットワークのセキュリティを下げるわけにはいかないためマイナーだけの利益を追求することはできません。
EIP-1234またはEIP-186に準ずるものが次期コンスタンティノープルハードフォークに実装されると考えられるでしょう。
参考資料:https://coinchoice.net/proposal-to-reduce-mining-fee-of-eth/
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