国際警察機構（インターポール）のメタバース専門家グループが発表したホワイトペーパーによると、メタバースプラットフォームは法執行機関の訓練や犯罪現場の保存、分析に有用なツールとなり得る。
インターポールが公開した研究報告書は、メタバースの多面的な側面に焦点を当て、世界中の法執行機関を支援する様々な用途を検討している。メタバースやサイバー犯罪に関連する捜査や、サーバー、エンジン、プラットフォーム、仮想資産分析からの証拠のアクセスと回収の課題についても調査している。
このワーキンググループは2022年10月に設立され、メタバースプラットフォームの不正利用を防ぐための勧告事項と指針を策定し、同時にこれらのプラットフォームを法執行のツールとして活用することを目指している。
法執行ツールとしてのメタバース
インターポールの報告書は、物理現実、拡張現実、仮想現実の側面を活用する法執行機関のための具体的なユースケースを取り上げている。メタバース環境は、現場の警察活動を効率化するための没入型訓練の重要なツールとなると期待されている。報告書は、メタバースベースの訓練やシミュレーションを通じて、異なる機関がさまざまな状況に対してより効果的に調整し、対応できるようになるとしている。「犯罪現場の再現、情報共有、戦術の計画は状況認識を高め、結果として最前線の警察の能力を向上させるだろう」。
また、犯罪現場の仮想的なレプリカをメタバースプラットフォームで作成するという革新的なアプローチもある。これにより、捜査官は無制限に犯罪現場にアクセスし、分析することが可能になる。この方法は、証拠の徹底的な検証を可能にし、陪審員や裁判官が犯罪現場を仮想的に訪れ、事件の文脈や詳細をより深く理解することを可能にするとされている。
拡張現実、仮想現実、拡張現実ツールも、捜査と法執行を改善する重要なツールとして強調されている。これらのツールは、空間認識と認知を活用し、没入型の3Dワークスペースを実現する。「3Dユーザーインターフェースを通じて、これらのツールは私たちの自然な空間推理と記憶能力を活用し、捜査官に複雑な課題に対処するためのユニークな方法を提供する」
拡張現実ツールは、チェイナリシスのようなサービスを通じて、取引やトークンの動きを接続させ、視覚化することで、仮想通貨関連の捜査において重要なツールとなるという。
メタクライム
報告書はまた、メタバースでの犯罪や有害な行為を定義し、これらのプラットフォームの効果的な警察活動と安全を実現することを試みている。
インターポールのホワイトペーパーは、非代替性トークン（NFT）詐欺、サイバー攻撃、デジタルIDの窃盗によるなりすまし、3D資産やデジタル資産の窃盗、子供へのグルーミング、ストーキング、性的嫌がらせなど、既存の問題を取り上げている。
メタバースの金融犯罪も成長する懸念事項である。インターポールは、「メタクライム」が、より多くの人々が日常的に仮想環境に移行するにつれて、増加する問題になる可能性があると指摘している。
メタバース・フォレンジックと捜査
メタバース環境がより多くのユーザーを引き付けるにつれて、インターポールはこれらのプラットフォームが捜査官にとって重要なデータと証拠の源泉になると考えている。これに伴って、法執行機関と法的システムがこの分野に精通することが求められる。
報告書は、捜査官が仮想現実ヘッドセットや触覚デバイスからのデータへのアクセス方法を学び、メタバースインフラから証拠を回収し、サードパーティのサービスプロバイダーからデータを取得する必要があると指摘している。
要件の範囲は、初動対応者、法医学専門家、より広範な刑事司法システムの訓練を必要とする。インターポールは、メタバースが複数の国や地域、組織にまたがっているため、メタクライムへの効果的な法執行対応には、多様な関係者の参加と国境を越えた協力が必要だと結論づけている。
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Source: 仮想通貨情報局