今晩、日本時間午後3時に結果が発表される米連邦公開市場委員会(FOMC)。
今回は年8回のFOMCのうち、参加メンバーによる経済成長率、失業率、物価、政策金利水準の見通しが示されるプロジェクションマテリアルが公表され、議長会見なども実施される4回のうちのひとつとなり、市場の注目を集めている。
前回プロジェクションが発表された3月のFOMCに続いて、今回も利上げがほぼ確実視されている。金利市場での織り込みは直前で88.6%となっており、ほぼ織り込み済みといっていい状況。
万が一据え置くとビッグサプライズとなるが、可能性は低い。
市場の注目は声明内容とプロジェクションで今後の利上げペースがどうなるか。とくにプロジェクションの中でも各メンバーの年末時点での予想政策金利水準をドットで示した、ドットプロットが注目を集めている。
前回3月のドットプロットでは2.00%-2.25%が6名、2.25%-2.50%が6名と同数になった。
前者は今回の後、年内にあと一回(おそらく12月)に利上げと、年内計3回の利上げ見込み、後者は9月と12月に利上げを実施し、年内計4回の利上げ見込みとなる。その他のメンバーは1.50%-1.75%と、今回含めて利上げ見送りで、3月時点で打ち止め見通しという超ハト派見通しが2名、2.50%-2.75%という年内5回の利上げ見通しが1名という状況。平均すると年3回が大勢という状況は12月のドットプロットと同様も、少し上に向いた印象を受けた。
この状況が今回どう変化するのかがポイントに。市場のほとんどの予想通り今回利上げが実施されると、少なくとも超ハト派二人の見通しは押し上げられる。それでも残りが変わらなければ大勢は3回のままとなるが、前回3回を見越した6名のうち一人でも上方修正すると大勢が4回になり、ドル買いを誘うという微妙な状況だけに注目を集めるところ。
昨日の消費者物価指数の予想通りとはいえ前年比+2.8%という強さを受けて、物価見通しも気になるところ。前回のプロジェクションでは対象となるPCEデフレータとコアPCEデフレータの前年比がともに年末時点で1.80%-2.00%となっていたが、こちらが上昇修正されるようだとこちらもドル買いを誘いそう。
声明での緩和バイアス削除なども可能性が指摘されるところで、前向き期待の強いFOMCとなっている。
minkabu PRESS編集部 山岡和雅
Source: ダックビル為替研究所 | Klug クルーク