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ペイパルのステーブルコインはリブラとは違う──4年前との状況の違い

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ペイパルのステーブルコインはリブラとは違う──4年前との状況の違い

民主党のマキシン・ウォーターズ下院議員(カリフォルニア州)は先日、決済大手ペイパル(PayPal)が、ステーブルコインに対する連邦法が議論される前にニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)の規制フレームワークの下でステーブルコインを発行することに「深い懸念」を抱いていると表明した。ウォーターズ議員が同様に猛反対した「リブラ(Libra)」プロジェクトをめぐる戦いを思い起こさせる展開だ。

しかし、4年前に当時のフェイスブック(現:メタ・プラットフォームズ)が複数通貨のバスケットに基づいたステーブルコイン構想を発表し、世界中の規制当局から批判を浴びた時と現在とでは状況は極めて異なっている。リブラは規制当局との妥協を図るために抜本的な設計変更を行い、名称を「ディエム(Diem)」に変更したものの、反発は非常に激しく、最終的に前進を阻まれ、失敗に終わった。

リブラはプロジェクトへの賛成ではなく反対によって、超党派の合意を生み出した稀有な問題となったが、その理由のひとつは、当時、ユーザーデータの扱いに関する懸念によって、フェイスブックは一時的に政治家たちから毛嫌いされていたからだ。

議会における追い風

これとは対照的に、ステーブルコイン業界は今、主に1つの党から、議会でそれなりの数の支持者を獲得しているようだ。

先月、ステーブルコイン法案が共和党議員らの支持によって下院金融サービス委員会を通過した。ウォーターズ議員が民主党の抵抗勢力の先頭に立つなど、多くの人が期待していたよりも厳しい状況だったが、共和党が支配する下院で採決が行われれば、法案は支持を得る可能性が高そうだ。

ペイパルは現在、この法案の上院通過の見通しを複雑なものにしている。ペイパルはこの法案採決前にステーブルコインを発表したことで民主党を動揺させ、上院のエリザベス・ウォーレン上院議員(マサチューセッツ州)などの同党のアンチ暗号資産(仮想通貨)主義者の決意を強めることになるだろうという、一部の専門家の意見に私も同意する。そして、民主党が過半数を占める上院での法案通過が妨げられる可能性もある。

しかし、大局的に見れば、ペイパルのプロジェクトは、誰もが不信感を抱いたリブラの時よりも、政治的にはるかに有利な立場にある。共和党は、ペイパルがこのタイミングで「ペイパルUSD(PYUSD)」と名付けられたステーブルコインを立ち上げることを喜んでいる。

法案の提出者である下院金融サービス委員会委員長のパトリック・マクヘンリー議員(ノースカロライナ州)は、この動きを「明確な規制フレームワークの下で発行されるのであれば、21世紀の決済システムの柱としてステーブルコインが有望であるという明確なシグナル」であり、この法案を前に進めることが「これまでにも増して重要となっている」と述べた。

相次ぐ金融大手の参入

同様に重要なこととして、ペイパルの動きは、暗号資産業界への参入を支持するよう政策立案者に働きかけようとする、金融業界大手の一連の取り組みに続くものである。ブラックロック(BlackRock)、フィデリティ・インベストメンツ(Fidelity Investments)、インベスコ(Invesco)をはじめとする多くの企業は現在、米証券取引委員会(SEC)に対し、ビットコインETF(上場投資信託)の承認を求めている。

一方、チャールズ・シュワブ(Charles Schwab)、フィデリティ、シタデル(Citadel)は共同で、新しい暗号資産取引所への規制当局からの承認を求めている。これらの企業は、ペイパルと同様、このような道を行く前にアメリカ政界の下調べを済ませている。

人々は当然ながら、暗号資産に関する議論が二極化を生み、政治化することを懸念している。しかし、下院金融サービス委員会では、驚くほど多い6人もの民主党議員が党の方針に反して、暗号資産に対する広範な規制フレームワークを作るマクヘンリー氏提出の別の法案を支持しており、膠着状態に陥るリスクは、特に現在、業界への支持を表明している企業の影響力を考えると、恐れられているほど高くないかもしれない。

ペイパルが有利なもうひとつの要因は、リブラとは異なり、ドル専用のステーブルコインを提供することで、世界中で米ドルの需要を高める可能性があること、リブラの発表時にフェイスブックが持っていたような世界的な影響力がないことだ。

リブラの最初の試みは、複数通貨のバスケットに連動したトークンだったが、多くの政策立案者は通貨主権に対する脅威とみなした。フェイスブックの数十億人のユーザーがこのトークンを使うようになれば、自国通貨への需要が直接的に減少すると危惧した。

ペイパルは民主党からの大々的な反対に直面し、立法が滞るかもしれない。しかし、この展開が歴史の流れに逆らったものとは考えにくい。遅かれ早かれ、ステーブルコインはアメリカで建設的な規制フレームワークを享受することになり、ペイパルのような新規参入者やテザーやサークルのような既存企業がうまく利用できるような、通貨の劇的な変化を促すかもしれない。

参考資料:https://www.coindeskjapan.com/197510/ 

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Source: 仮想通貨情報局

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