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アフリカでブロックチェーン・スタートアップの資金調達額が5倍増の理由

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アフリカでブロックチェーンを活用するスタートアップが、2022年に調達した資金の総額は4億7400万ドル(約640億円)となり、前年から5倍以上に増加した。スイスに拠点を置くベンチャーキャピタルのCV VCがまとめた報告書で明らかとなった。

報告書「アフリカ・ブロックチェーン・レポート(Africa Blockchain Report 2022)」によると、ブロックチェーン関連スタートアップによる資金調達件数は29件で前年の26件から微増。総調達額では、2021年の8960万ドルから急増。同調査レポートは、パブリックに開示された10万ドル以上の調達ラウンドを対象にしている。

欧米や日本とは大きく異なり、金融インフラや社会インフラが十分整備されていないアフリカ諸国では、銀行口座さえも持てない人口(Unbanked)が多く存在し、海外企業と貿易取引を行う零細・中小企業がドル決済を安く自由に行うことができない状況が続いている。これらの大きな社会課題を解決しようと、ナイジェリアや南アフリカ、ケニアを中心に、ブロックチェーンをフル活用したスタートアップが次から次へと誕生している。

セーシェル諸島が国別では1位、「取引所」が業種別で首位

ブロックチェーンベンチャー投資:国別/CV VCのレポートより

国別に見ると、法人税率がゼロのセーシェル諸島が最大の調達規模となる2億800万ドルを調達し、全体の43.9%を占めた。次いで南アが1億7700万ドル。西アフリカのリベリアは3750万ドルを調達し、3位につけた。前年にアフリカでは2番目に大きい規模の資金を集めたナイジェリアは5位となり、総調達額が1600万ドルだった(同レポート)。

業種別では、「暗号資産(仮想通貨)取引所・カストディ(管理・保管)」が全体の52%を占め、調達額は2億4900万ドル。決済などの「フィンテック」のカテゴリーは2番目に大きく、1億1500万ドルを集めた。「ゲーム・NFT・メタバース」の分野は、3200万ドルの資金を集め、全体の7%を占めた。

ブロックチェーン投資:業種別/CV VCのレポートより
ブロックチェーン投資:業種別/CV VCのレポートより

アフリカのWeb3ニュース・データの「NODO」の取材によると、ナイジェリア最大の都市・ラゴスで、ブロックチェーン・スタートアップが開発したサービスを利用する零細企業のオーナーの中には、海外企業との決済に米ドル連動のステーブルコイン「USDT(テザー)」を利用するケースが増加傾向にある。

また、同国の統計局が発表している消費者物価指数(CPI)は3月時点で22.04%で、インフレに歯止めがかからない。ナイジェリアの法定通貨「ナイラ」の不安定さは恒常的で、ナイラをテザーやビットコインなどの暗号資産に替えて資産を守ろうとする個人は一定数存在する。

シンガポールのTriple Aがまとめたデータによると、アメリカは暗号資産の保有者数が世界で最も多く、その数は4600万人。人口2億1000万人のナイジェリアは4番目に多く、2200万人が暗号資産を利用している。

南アフリカのスタートアップとクリプト事情

インターネットユーザーに占める暗号資産の保有率/Meltwaterのレポートより
インターネットユーザーに占める暗号資産の保有率/Meltwaterのレポートより

一方、メルトウォーター(Meltwater)が今年発表した「グローバル・デジタルレポート 2023」によると、南アフリカは、16歳~64歳のインターネットユーザーの19%が暗号資産を保有しており、アフリカ大陸では同国の値が最も高い。続いてナイジェリアの13%、東アフリカのケニアが12.4%と続く。アメリカは13.8%で、日本は5%。

また、昨年1年間に個人のトレーダーが暗号資産を購入した平均額を国別で見ると、南アフリカは341.8ドルとアフリカでは最も高く、2位のモロッコ(33.07ドル)を大きく引き離した。続いて、ケニアが16.08ドルで、ナイジェリアは14.76ドル。

年間平均購入額でトップにランクしたのは、ブロックチェーン・暗号資産を政府が後押しするスイスで、960.70ドルだった(同グローバル・デジタルレポート)。

2022年に個人トレーダーが購入した暗号資産の平均金額/Meltwaterのレポートより
2022年に個人トレーダーが購入した暗号資産の平均金額/Meltwaterのレポートより

郊外の空港から南ア・ケープタウンのビジネス街に車で向かうと、高層ビルの上部に暗号資産取引サービス「LUNO」の大きな看板が目に入ってくる。取引サービスに留まらず、恒常的な電力不足に悩むケープタウンでは、NFTを活用してソーラー電源に投資ができる仕組みを開発するスタートアップなども存在する。

日本では考えられないほどの経済基盤や社会基盤の下、14億人の人口を抱えるアフリカにおいてはブロックチェーンをフル活用して、リープフロッグ型の経済成長を進めようとするスタートアップが生まれ続けている。また、スマートフォンの普及スピードが比較的早いこの大陸では、トークンエコノミーの広がりは今後、さらにペースを速めていく可能性がある。

参考資料:https://www.coindeskjapan.com/181479/ 

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Source: 仮想通貨情報局

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