AI搭載予定のメタバース
メタバースソーシャルアプリ「Oasis」は15日、新たにBNB ChainでWeb3版「Oasis Origin」をリリースしたことを発表した。Oasis Originは、米OpenAI社の言語モデル「GPT4」を活用するロードマップで注目を集めている。
BNB Chainとは、最大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスが運営するパブリックブロックチェーン。Oasis Originは3月9日に終了したBNB Chain主催のWeb3ソーシャルハッカソン「Connected 2023」で、最高位に当たる「総合ソーシャルdApp賞」を受賞していた。
Oasisのブロックチェーン版は、仮想通貨ウォレットを使ったログイン機能、アバターのNFT(非代替性トークン)化、ソーシャルグラフを作成するためにCyberConnectの「ccProfile」「Link3」に接続できる等の特徴がある。現在、ウォレットを通じた登録ユーザー向けに、限定SBT(ソウルバウンドトークン)を配布している。
中でも、Oasis Originの最大の特徴は、米OpenAI社の言語モデル「GPT4」と接続により、2つのAIモデルを今後搭載すること。
まず、「AIAS (AI Alter-Self) 」はOasis Origin上のユーザーの行動や話し方、交流関係等を学習し、パーソナリティを引き継いだ分身として機能。ユーザーがオフラインの時でも、AIASがユーザーの代わりにメタバース内で行動し続けることができる。
上図は、昨晩ユーザーが参加したパーティについての会話に、AIASが応じている模様だ。その他にもAIASは、友達と交流したり、会議やバンド活動に参加したり、エアドロップを受け取ったり、コンサートのチケットを入手する際の代行作業が想定される。
次に、「AI NPC」はユーザーの友人やアシスタントとして機能する仲間(コンパニオン)。仮想環境に最適化されており、ユーザーのニーズに応じて、スケジュール管理や問題解決、相談相手、組織の目標達成のサポート面で役立つ。
現在、AIAS機能は100人超のユーザーによる内部テストを実施中、23年第2四半期にもAI機能が搭載される予定だ。
特にAI NPCが実装されると、Oasis Originのユーザー基盤はAIモデルの方が多くなることが予想される。「メタバース内でこれらのAIは人間と平等な人権を持つことができ、AIがウォレットや資産を所有し、金の採掘や取引を行うこともできる」と説明されている。
米国の著名な起業家イーロンマスク氏や、破綻した仮想通貨取引所FTXの創設者サム・バンクマン・フリード被告、プロバスケットボール選手レブロン・ジェームズなどの有名人のAIモデルもテストされているという。
Oasisとは
Oasisは、スマートフォン、VR、PCのマルチデバイスに対応する仮想空間。ユーザーはアバターやリアルタイムの音声インタラクションを通じて、生配信、コンサート、ボードゲーム、その他のゲームを楽しむことができる。
公式発表によると、Oasis Originの総登録ユーザー数は1,000万人を突破、130以上の国のユーザーが利用しているとされる。
開発企業であるOASIS Ltdは2018年に中国に設立され、香港、シンガポールにも拠点を有する模様。22年3月には、シリーズB資金調達で数千万ドル(非公開)を調達したことを発表した。当時、参加した投資家の名前として、中国のベンチャーキャピタルWuyuan Capitalを含む、BAI Capital、Zhichun Capital、Xianfeng K2VC等が挙げられた。
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Source: 仮想通貨情報局