世界初のグリーンボンド・トークン
アメリカのように暗号資産(仮想通貨)業界に対して厳しい姿勢を続ける国もある中、2月16日に中華人民共和国香港特別行政区(HKSAR)は、トークン化されたグリーンボンドを発行したと発表しました。
グリーンボンド(Green Bond)とは、環境分野への取り組みに特化した資金を調達するための債券です。2008年に国際復興開発銀行(IBRD)が発行したことが始まりとされ、発行主体が環境分野に貢献していることを示せるために、現在では世界各地に広まりつつあります。
香港はこれまで継続して、ブロックチェーンの可能性に興味を示してきました。最新のレポートによれば、香港行政区はおよそ8億香港ドル(約1億200万米ドル:約137億円)相当のトークン化されたグリーンボンドを、4.05%の利回りで販売したということです。
香港の財政司司長であるポール・チャン(Paul Chan)氏は、同地域でのデジタル経済の伸展について、「今回発行されたグリーンボンド・トークンは大きな一歩であり、債券市場・グリーンファイナンスおよびサステナブルファイナンス・フィンテックの分野で、香港の優位性を証明するしるべになった」と述べています。
また、グリーンボンドの発行および販売を担当したのは、ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)が提供するブロックチェーンのトークン化プラットフォーム「GS DAP」です。これはゴールドマン・サックスが、長期金融市場のデジタル化と債券発行の効率化に力を入れていることの表れだと言えます。
仮想通貨業界に対する香港の姿勢
拡大する仮想通貨市場に対する反応は、世界中でさまざまな形で現れていますが、アメリカは仮想通貨を活用するよりも強く規制する方針のようです。
一方で香港は、中国政府が仮想通貨に対して敵対的な姿勢を示す中、積極的に活用する路線をとっています。2022年の混乱する弱気市場の中でも、香港は仮想通貨の中心地を目指す姿勢を崩しませんでした。
香港証券先物事務監察委員会(SFC)フィンテック部門トップのエリザベス・ウォン(Elizabeth Wong)氏は、「より自治的で自由な方法」によりデジタル資産の規制法案を提出する方針を明らかにしています。
この方針に従い2022年12月には、仮想通貨取引事業者を規制する新法を準備しました。この法案では取引サービスを提供する事業者に対して、既存の金融機関と同様のルールに従うことを求めています。
さらに、2022年7月には香港科技大学が世界で初めて、メタバース内に現実とデジタルとの双子の大学を設立する計画を発表しました。
その数ヶ月後には香港中央銀行が、既存の金融市場に対してデジタル資産が及ぼす影響について検証を行っています。
このように、香港は「全面禁止」とする中国政府とは異なり、規制しながらも仮想通貨市場を上手に扱っていくという別のアプローチを取っています。
参考資料:https://coinchoice.net/hongkong-issue-greenbond-token/
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Source: 仮想通貨情報局