1年前を思い出してみよう。ビットコイン(BTC)は5万ドル前後で取引され、スポーツ観戦の際には暗号資産企業の広告を見ないことはなかった。取るに足らないようなNFTを発行するだけでリッチになれた、あるいは少なくともリッチになれる気がした。
当時、誰がセルシウス・ネットワーク(Celsius Network)やボイジャー・デジタル(Voyager Digital)の破綻を予測できただろう? あるいはマット・デイモンがジョークのネタになること、そして業界の寵児サム・バンクマン-フリード氏がスターから悪役に転落することを?
未来を見せてくれる水晶玉など存在しないということだ。予測は多くの場合、外れる。トレンドは一瞬で変化する。だがこの2カ月間、FTX関連の暗い話題に悩まされた私たちの口直しには、2023年の予測がぴったりかもしれない。
「2023年を迎えるにあたり、第1四半期(1-3月期)の資金調達が弱気相場が継続するか否かを分ける決定的要素になる」と語ったのはアウトライアー・ベンチャーズ(Outlier Ventures)の創業者兼CEOのジェイミー・バーク(Jamie Burke)氏。
「ベンチャー市場の強さは健在で、いまだに何十億ドルもの資金が暗号資産業界に流れ込んでおり、多額の資本が待機している」と指摘した。
しかし一方で「ベンチャーの状況は間違いなく変化している」ことも認め、「運任せで乱発」という強気相場の戦略ではなく、「2023年を前にしたファンドマネージャーは資本を節約するだろう」と語った。
バーク氏は2023年、多くの投資家たちは「すでに成長を見せているレイトステージに対する、既存のよりリスクの低い投資を強化」していくと予測している。
暗号資産業界にとってそれが何を意味するのか? そのほかに2023年に暗号資産の世界では何が起こるのか? 強気な意見から懐疑的な意見まで、業界のスマートな人たちの予測をまとめた。
1. 規制をめぐる壮絶な戦い
正確な結末は誰にもわからないが、2023年は規制をめぐる衝突がついにクライマックスを迎える年となるだろう。「厳しい暗号資産規制が提案され、分散化を脅かす部分に抵抗するコミュニティによって、壮絶な戦いが繰り広げられるだろう」とポッドキャスト『Unchained』のホスト、ローラ・シン(Laura Shin)氏は予測する。
2. Web3プラットフォームの成長持続
「より大きなマクロ状況の低迷が、暗号資産プロジェクトを投機から実用性へとシフトさせることを願っている。主要な実用性カテゴリーの1つは、有意義な、楽しい、ソーシャルエクスペリエンスになる」とFriends with Benefits DAOの事実上のリーダー、アレックス・ジャン(Alex Zhang)氏は語った。
同氏は、これが「より意義のあるWeb3ソーシャルプラットフォームとプロトコル」につながると見ており、「相互運用可能なアイデンティティ、オンチェーンソーシャルグラフ、暗号資産を活用したソーシャルエクスペリエンス」における成長を予測している。
次は、それほど楽観的ではない意見だ。
3. さらなる損失と痛み
「影響の伝播は終わりにはほど遠い」とポッドキャスト『Crypto Critics’ Corner』のホスト、キャス・ピアンシー(Cas Piancey)氏。
「企業、銀行、ファンドは、市場がFTXとアラメダの破綻から気持ちを切り替えるか、少なくとも彼らの違法行為のみに関心を向けることを必死に願っている」が、否が応でも「信用危機や悪質な取引相手との関係を願いだけで無くしてしまうことはできない。思いもしなかったようなファンドの閉鎖や企業の低迷があるだろう。影響の伝播はあまりに広範で、定量化するのは難し過ぎるからだ」(ピアンシー氏)
4. 真にグローバルなビットコインの普及
Human Rights Foundationの最高戦略責任者アレックス・グラッドスタイン(Alex Gladstein)氏に取材した時、同氏はガーナで開催されたビットコインカンファレンスから帰国したばかりだった。
「驚かされた」とグラッドスタイン氏は語り、「多くの国から参加したビットコイン起業家やリーダーたちの数に驚かされた」と続けた。カメルーン、コンゴ、ソマリアなど、紛争地域からの参加者に出会ったという。
「彼らは皆、ビットコインで開発を行っていた。本当に驚きだった」と語るグラッドスタイン氏は「来年のトップストーリーはグローバルな普及」になると考えている。
5. 暗号資産/ビットコイン/ブロックチェーン以外に重点
2023年の予測を質問すると、ビットコイン超強気派のピーター・マコーマック(Peter McCormack)氏は「(サッカーチームの)Real Bedfordがリーグ優勝する」と語った。
もちろん、自らが2021年に買収したチームをネタにしたジョークだが、もしかしたら、もっと深い真実を含んでいるのかもしれない。「暗号資産の冬」には、他の関心事に重点を置いた方が有益で健全なのかもしれない。
6. Web3とファッション
「Web3普及の面では、ファッションが牽引し続けるだろう」と、イノベーション・デザインコンサル企業ジャーニー(Journey)の最高メタバース責任者キャシー・ハックル(Cathy Hackl)氏は語った。
「Web3関係者と、新しいコマースモデルや顧客との接点を模索する消費者ブランドやラグジュアリーブランドとのコラボがさらに展開されるだろう」と考えるハックル氏はさらに「ジェネレーティブAIの台頭に伴って、AIが作ったコンテンツと人間が作ったコンテンツを見分けることに、ブロックチェーンが大きな役割を果たすかもしれない」と予測している。
7. NFTは健在
「2022年もNFT関連の資金調達ではハイリスクな投資意欲が持続していたことは、NFTが2023年に回復する最初のセクターの1つになる可能性を示す強いサイン」とアウトライアー・ベンチャーズのバーク氏。
「この1年で私たちはすでに、(スターバックスやディズニーなど)主要Web2ブランドやWeb3からNFTへの大規模投資を目にした。(中略)これが2023年に止まる兆候はない。ブランドはNFTに集まり続けるだろう」とバーク氏は考えている。
8. ゲームとDAOの成長は続く
バーク氏はゲームについても強気。「Big Time、Star Atlas、Ember Swordなど、開発が続けられていた大型Web3ゲームが2023年、完成したゲームの形、あるいはプレイ可能なデモという形でついに日の目を見ることになる」ためだ。
では、DAO(自律分散型組織)は? 「現在の弱気相場によって、業界は一時停止を余儀なくされているように思えるが、新しいDAOの成長は飛躍的に加速しており、2022年は毎月、2021年全体よりも多くの新しいDAOが生まれていた」とバーク氏は述べた。
9. 大型取引所の「分解」
「暗号資産取引所は分解していく。(伝統的金融と同様に)カストディ、ブローカレッジ、取引所/価格発見が異なるプレイヤーへと分散していく。これによって、FTXの二の舞のような事態は起こり得なくなる」と、ドラゴンフライ・キャピタル(Dragonfly Capital)のハシーブ・クレシ(Haseeb Qureshi)氏は語る。
さらにクレシ氏は、次のような予測も述べた。「信頼感が低下している時には、既存企業が強くなる。コインベース(Coinbase)、バイナンス(Binance)、ユニスワップ(Uniswap)はマーケットシェアを拡大するだろう。小さな、弱いプレイヤーを信頼する可能性が低くなるからだ。ネットワーク効果が強まる」
10. 業界再編
「可能性を見据え、ダメージを評価する。謙虚さを持って再編し、誠実さを持って再建する。信頼を回復して、再び立ちあがろう」と、Global Blockchain Business CouncilのCEOサンドラ・ロー(Sandra Ro)氏は業界全体にアドバイスを送った。
参考資料:https://www.coindeskjapan.com/169218/
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Source: 仮想通貨情報局