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バンクマン-フリード氏、終身刑の可能性も【コラム】

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FTX崩壊のきっかけとなった米CoinDeskの報道から、1カ月以上が経った。サム・バンクマン-フリード氏が行ったことは、人類の歴史の中でも、とりわけ悪質で大規模な詐欺だろう。

いまだに恐ろしい新事実が続々と明らかになっている。そして、バンクマン-フリード氏が司法の裁きを受けるのはいつになるのか、そもそも裁きを受けることになるのか、特に暗号資産関係者の間では大きな懸念が広がっている。

明るい話題としては、バンクマン-フリード氏とその共犯者が直面するかもしれない厳しい結末についても新たな見解が寄せられていることだ。

詐欺の明らかな兆候があるにもかかわらず、彼は警察に拘束されていないようだ。バハマにとどまったまま、自らの行為を曖昧にし、身の毛もよだつような新事実から目を逸らすためにインタビューに応じ続けている。このような状態を「不可解」と感じているのは、コインベース(Coinbase)のブライアン・アームストロングCEOだけではない。

とりわけ被害妄想の強い人たち(そしてバンクマン-フリード氏自身)は、こうした寛容的な扱いを政治家たちの機嫌を何年も取ってきた成果と考えているかもしれない。

重罪の可能性

しかし、CNBCの報道によると、裁判が遅れているのは時間のかかる法的プロセスが原因のようだ。米司法省は独立した捜査を要求しており、元連邦検事のレナト・マリオッティ(Renato Mariotti)氏は「間違いなく告発可能な詐欺事件だろう」と語っている。

バンクマン-フリード氏に対する刑罰は、軽いものにはならないだろう。元CFTC(商品先物取引委員会)の弁護士、ブレードン・ペリー(Braden Perry)氏は、終身刑の可能性があるとCNBCに語った。これはアメリカの量刑ガイドラインによるもので、FTXとその姉妹会社アラメダ・リサーチによる明らかな詐欺の規模と被害者数を考慮したものだ。

だが残念なことに量刑ガイドラインはしばしば、ホワイトカラーの犯罪者に軽い刑罰を与えるよう「曲解」される。金融詐欺や着服などは「リアルな」犯罪ではないという、アメリカの裁判制度にいまだに広く見られる暗黙の前提が原因だ。

バンクマン-フリード氏の若さ、そして自らを無能な愚か者と見せようとする策略が相まって、裁判所から不相応な情けをかけてもらえるかもしれない。確実に報いを受けさせるには、リアルで絶え間ない世論と政治的な圧力が必要だ。

恐ろしい実態

彼が報いを受ける時は必ずやって来るだろう。捜査担当者は被害の全容を解き明かし続けている。ここ数日では、それまでに理解されていた以上に悪質な詐欺が行われていたことを示す、少なくとも2つの情報が浮上した。

Bitcoin.comが入手したデータによると、アラメダ・リサーチのCEO、キャロライン・エリソン(Caroline Ellison)氏は2022年5月時点に、個人的なFTXマージン取引アカウントに13億ドル(約1800億円)もの含み損を抱えていた。

会計は、FTXとアラメダでは組織的な目標(つまり窃盗)にとって明らかに有害と考えられていた。さらに、この損失の他にアラメダ自体がFTXに負わせていた信じられないほどの損失もあった。これらの損失は、エリソン氏やアラメダの違法行為(それも数多くあっただろう)というよりも、FTXによる詐欺を表わすものだ。

そしてアラメダが資産を失ったことにして、エリソン氏を悪者にすることが、バンクマン-フリード氏の戦略であることが明らかになってきている。

しかし真の犯罪は、アラメダがトレーディングに失敗したことではなく、FTXがアラメダやエリソン氏、おそらく他の仲間に対して公平な清算ルールを課さなかったことにある。事実上、証拠金のルールから除外されたことで、エリソン氏らはFTXの顧客資産を投機に流用することが可能になった。

バンクマン-フリード氏がエリソン氏(元恋人と伝えられている)を裏切ったことは、利他的な人柄を慎重に作り上げたにもかかわらず、実際には人徳をほとんど持ち合わせていなかったことの証と考えるべきだろう。

FTXベンチャーズによる投資

証拠はとどまることなく出てきている。フィナンシャル・タイムズは、FTXのベンチャーキャピタル部門、FTXベンチャーズ(FTX Ventures)の投資資産のコピーを入手。ここでは、ある1つの数字が非常に重要だ。フィナンシャル・タイムズの計算によると、投資にかかわる流出額は54億ドルを超えていた。

FTXが、他の多額の支出に加えて、これだけの投資を3年間の取引所の収益と、18億ドルの自社ベンチャーキャピタルの収入だけでまかなえたとは思えない。

FTXベンチャーズの投資の一部には、FTTのような偽のFTXマネーが利用されたかもしれない。そして非常に単純に考えても、FTXが顧客資産に手をつけていただけでなく、FTXの経営に関わっていた人たちが、その事実を知らなかったはずはない。

FTXベンチャーズの書類から明らかになるもう1つの事実は、犯罪には当たらないかもしれないが、不愉快なものだ。FTXベンチャーズから資金を受け取っていた組織には、セコイア・キャピタル(Sequoia Capital)やスカイブリッジ・キャピタル(Skybridge Capital)など、もともとFTXに投資したファンドも含まれている。

身の毛もよだつ仮説

なぜ自社投資家に投資していたのか? とりわけスカイブリッジとの取引は、9月に発表された時から奇妙な感じがしていた。FTXベンチャーズからの資金は、スカイブリッジが暗号資産購入に使うという条件がついていた。

これはおそらく、FTXを通じて暗号資産を購入、保管することを意味していたのだろう。FTXの他の取引にもこの条件がついていたと疑われている。

つまり、スカイブリッジはまず、FTXに資金を提供して、より多くのユーザーを惹きつけられるようにする。そしてFTXはユーザーから集めた資金をスカイブリッジに送り返す。そうなるとユーザーには架空の残高が残り、スカイブリッジはお金をまたFTXへと戻す。このような行いを業界では「これ以上ないほど怪しい」と表現する。

そして最後に、最も恐ろしい可能性を。鋼の精神を持った人だけが耐えられるような、恐ろしくショッキングで、血生臭い仮説だ。

スカイブリッジの発表では、FTXベンチャーズからの資金でどのような暗号資産戦略を実施するか、具体的に示されていなかった。最も恐ろしいシナリオとしては、FTXから何千万ドルもの資金を受け取ったスカイブリッジや他のファンドは、FTXのユーザー資産を使って、FTXの作り出した取引所トークンFTTを買っていたと考えられる。

別の記事で説明した通り、さまざまなローンにおける担保としてのFTTの役割は、バンクマン-フリード氏の築いた砂上の楼閣の鍵となるものだった。外からの資金を受け取って、ユーザーの資産を繰り返し担保とすることでFTTを購入、保有することは、独創的な会計処理の道を開いたはずだ。この仮説が正しかったとしたら、恐ろしさも、狡猾さも超えた話だ。

この話は今はもう、十分だろう。なにか気楽なエンターテインメントを楽しみ、実世界の人間の邪悪さの深さから気を紛らわそう。例えば、映画『悪魔のいけにえ』などが良さそうだ。 

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Source: 仮想通貨情報局

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