「S2Fモデルの適用は間違い」
暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)の共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏は21日、ビットコイン(BTC)価格を予測するのに、ストック・トゥ・フローモデル(S2F)を使用することを批判した。
「ストック・トゥ・フローモデルは大失敗だった」と主張するイーサリアム支持者sassal.eth氏の発言に賛同して、次のようにツイートした格好だ。
ストック・トゥ・フローモデルは、現在特に、使えるものだとは全く思えない。
私は、数字が上がるという誤った確信や運命感を人々に与える金融モデルは有害であり、あらゆる嘲笑を受けるに値すると考える。
ストック・トゥ・フローモデルは、一部のトレーダーがビットコイン価格を予測するために使ってきたモデルであり、元々は金(ゴールド)のような天然資源の価格予想に用いられていたものだ。
現在備蓄されている資源の量(ストック)と新規供給量(フロー)の比率を考慮するモデルである。貴金属などに良く適用され、これらは希少資源であるため、生産量(フロー)が時間とともに減少し、ストック・トゥ・フロー比率が上昇する。
ビットコインに当てはめる場合は、市場で入手可能なビットコインの量を年間採掘量で割ったものを測定。これは、将来の推定価格を示す価格チャート上の線(上図の赤い線)を作成するために使用される。
ストック・フロー比率とは
ストック・フロー比率(S2F)は、「S2F=市場に存在する量(ストック)/年間生産量(フロー)」で計算され、貴金属(金や銀)などの希少性と価値を測るモデルとして利用される。
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上図を見ると、これまでストック・トゥ・フロー(S2F)モデルはおおよそ、正しい価格推移を示してきた。しかし最近は、ビットコインの実際の価格から切り離され始めている。
このモデルは、6月18日の時点でビットコインの価格が約67,000ドルになると予測していたが、コインベースのデータによると、ビットコインはこの日19,000ドルを下回った(執筆時点では20,860ドル前後)。
PlanB氏のコメント
S2Fモデルを提唱しているのは、ビットコイン(BTC)相場を分析する著名アナリストPlanB氏だ。今回、sassal.eth氏が直接的に批判したのも、PlanB氏だった。
PlanB氏はヴィタリック氏らのツイートと同じ21日、改めてS2Fモデルについて次のように説明している。
ビットコインの2019年S2Fモデル(グレー)と直近のデータで調整したモデル(白丸)を以下に示す。S2Fモデルは、2019年3月から2022年3月まで確かに良い動きをしていた。
現在の展望:ビットコインが極端に割安になっており、すぐに反発するか、S2Fモデルが今後あまり役に立たなくなるかのどちらか。
また、「私は自分の分析結果やチャートを無料で公開しているが、だからといって誰かに買えと言ったり、何を、いつ、どのように、いくらで買えと言ったりはしない」と訴えた。
PlanB氏は、2021年7月にS2Fモデルとビットコイン価格が乖離した際にも、「次の6ヶ月はS2Fモデルが成功するかしないかの分かれ目となるだろう」と発言していた。
参考資料:https://coinpost.jp/?p=361293
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Source: 仮想通貨情報局