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ドージコイン投資に潜むリスク

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ソーシャルメディアでの大いなる盛り上がり、メインストリームからの注目、さらに有名人からの支持もあれば、ドージコイン(DOGE)が堅実な投資と考えてしまうのも無理はない。

しかし、柴犬をモチーフにしたこの暗号資産(仮想通貨)は、本当に見た目ほどに無邪気で安全なものなのだろうか?

インターネットで大いに拡散した柴犬「ドージ」のミームをもとにしたパロディーコインとして誕生して以来、ドージコインは大きな成長を遂げている。2021年5月に記録した史上最高値の$0.69(123,383.30%高)は、立ち上げられた2013年12月当時の価格$0.00055878とは、天と地ほどの違いがある。

ドージコインの成功は、初期の頃に、プロジェクトが独自の道を進むことを可能にした熱心なファンコミュニティーに多くを負っている。第三者アプリケーションを通じてチップとして使う暗号資産としての有用性を広げたり、メインストリームのメディアの関心も惹きつけるような、様々なチャリティー支援のために使うなど、ファンたちの貢献は多岐にわたっていた。

しかし最近、ドージコインの人気が急激に高まった理由は、新しい用途や機能が追加されたからではなく、ミームや皮肉が、インターネットユーザーたちの間で反響を生んでいるからだ。それは、内輪だけで使われる言葉やジョークにうってつけの暗号資産の世界についても同じことだ。

このような文化は著しく成長しており、(米人気掲示板サイト「レディット(Reddit)」の投資コミュニティー「wallstreetbets」に見られるように)ここ1年でその影響力を一段と強めたが、それは当然、ドージコインに恩恵をもたらした。

有力な著名人を惹きつけることにさえ成功し、社会現象ともなったドージコインの広がりと影響はさらに強まっている。ドージに投資した著名人には、スヌープ・ドッグやジーン・シモンズ、そしておそらく、ドージコインに最も大きな影響力を与えているテスラのCEO、イーロン・マスク氏がいる。

ミームが火付け役となった盛り上がりや激しい値動きはエキサイティングなものではあっても、新しい投資家がドージに飛びつく前に知っておかなければならない、保有に伴うリスクも数多く存在する。

1. ドージコインは供給量が無制限

ドージコインの生みの親の1人であるジャクソン・パーマー(Jackson Palmer)氏は2014年2月、それまでは1000億コインで設定されていたドージコインの供給量上限を完全に取り去ることを決断。チップにコインを使うことを促し、人々がただ保有しておかないようにするのが狙いだった。

つまり、ドージコインはインフレ的な供給体制で、新しいコインが絶えず市場に注入されるということだ。対照的に、時価総額トップの元祖暗号資産ビットコイン(BTC)には、2100万コインの上限が設定されている。

ドージコインの供給が無制限なことは、なぜ問題となるのだろうか?

需要と供給は、モノ、サービス、資産の公平な市場価値を決めるための2つの根本的な原動力である。需要が高く供給が希少な資産は値上がりする可能性が高い一方、需要が低く供給の多い資産は価値が下がる可能性が高いと、一般的に考えられている。

しかしドージコインは、少し例外的な存在だ。ドージコインに対する需要は現在、市場に投入されているコインの数よりも多くなっているために、価格が上昇しているのだ。供給量が無制限だったとしても、市場に入ってくるのと同じ、あるいはそれより速いペースで買い手がコインを買い続ければ、価格は均衡を保つか、上場を続けるのである。

しかしこれは、大いなる「もしも」の話だ。価格水準を維持するためには、生み出されるコインをすべて買い手が継続的に購入する必要がある。価格を維持するための希少性が存在しないからだ。

終わることのない吹雪の中で雪かきをするようなものと考えてみよう。通りに住む皆が助け合えば、雪のない状態を保つことができると言えなくもないが、雪の方が最終的に勝つ可能性が高い。

2. 供給量が日々増えていく

現在のマイニングのスピードでは、毎分1万の新しいドージコインがブロック報酬としてリリースされている。つまり、1日に約1440万、1年には52億の新しいコインが流通するということだ。

ブロック報酬は固定であるため、毎分マイナーに報酬として与えられるドージコインは1万より多くも少なくもない。時間と共に変わるのはマイニング難易度だけであるが、これはブロック毎に調整される。新しいブロックを見つけるために競い合っているマイナーの数に応じて、難易度が上下するのだ。

ドージコインのマイニング難易度は現在、値上がりの結果として2年ぶりの高水準に向けて上昇しており、それがドージマイニングの収益性を過去最高水準まで押し上げ、さらに多くのマイナーをネットワークへと惹きつけている。

3. 技術的進歩の不足

パーマー氏は2015年、当時の「有害な」暗号資産業界に嫌気がさしてドージコインプロジェクトから身を引いた。「自由主義者たちが、リッチになろうと、流行語を盛り込んだ中途半端なビジネスアイディアを試して失敗する」ようになっていると感じていたのだ。

パーマー氏の離脱後、ドージコインは数人のコミュニティー開発者の手に委ねられることになった。しかしここ6年間で、コードにはほとんど手が加えられていない。

2月28日のドージコイン・コア1.14.3のリリース前に大きな進展があったのは、2019年11月18日。2015年11月10日から2018年2月4日の間にも、アップデートがまったく発表されない長い空白期間があった。対照的にビットコインネットワークでは、ほぼ毎日コードがアップデートされている。

ドージコイン開発者たちは、定期的なアップデートをする理由はほとんどないと主張している。「安定して運用されており、ネットワークのルールは、リスクにさらされるような形で変更されてはいない」と、コミュニティー開発者の1人、マキシミリアン・ケラー(Maximilian Keller)氏は語り、次のように続けた。

「ドージコインネットワークは、ビットコインと同じような課題を抱えている訳ではない。そのため、(定期的なアップデートは)それほど差し迫った問題ではない」

それでも、時価総額が今では500億ドルを超え(フォードより大きい)、コミュニティーファンドには2353万2879コイン(現在の価格では910万ドル相当)を抱えるプロジェクトに対して、例えジョークとして生まれた暗号資産であったとしても、より頻繁なコードのアップデートを期待するのも無理はないだろう。

4. 10のウォレットが全ドージコインの44%を保有

暗号資産データを手がけるBitInfoChartsのデータによると、流通中のドージコインの約半数が少数のウォレットアドレスに保有されており、最大のウォレットが供給量の28%を保有している。

これのどこか問題なのであろうか?このような大口保有ウォレットの1つがいつでも、保有するドージを売り払って市場を出て行き、価格を暴落させる可能性があるのだ。

もちろん、そのポジションの大きさを利用して、ストップ狩りや、バイ・ウォールやセル・ウォール(大口保有者が自らに有利になるよう価格を操作するために大量の買い・売り注文を出すこと)、その他のトレーディング戦略を使って、人為的に価格を上下させることで、市場を簡単に操作することもできる。このようにして、他のドージコイン投資家たちは、大口保有者たちに翻弄されることになるのだ。

このような明白なデメリットにも関わらず、ソーシャルメディアでの盛り上がり、有名人からの支持、急速に広まるミーム文化のために、ドージコインは今のところ値上がりを続けるかもしれない。(ブルームバーグのジョー・ワイゼンタール(Joe Weisenthal)氏は先日、最近の値上がりを考慮に入れれば、ドージコインはここ7年間で、BTCを上回るパフォーマンスを見せたと指摘した)

しかし、これらの要因だけで値上がりをどれだけ支え続けることができるかは、これから分かってくるだろう。

参考資料:https://www.coindeskjapan.com/127246/ 

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Source: 仮想通貨情報局

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