強気相場に反して取引所からは出金増加
暗号資産(仮想通貨)取引所のビットコイン(BTC:Bitcoin)保有量をチェックすることは、仮想通貨市場の心理を分析するのに有効な方法の1つです。過去においては取引所への通貨流入は、投資家が得た利益を現金化しようとした動きであると考えられ、売り圧の増加が予測されました。こういった動きは、価格が上昇して強気市場となっていると現れるものです。しかし、現在は価格が上昇しているにもかかわらず、取引所のビットコイン保有量は減少しています。
この傾向は数字でも現れており、価格の上昇に反してビットコインの取引量は増えておらず、その代わりに取引所から出金されるビットコインの量が急増しています。直近の30日間では10万BTCを超えるビットコインが取引所から出金されました。
ビットコインを貯め込む投資家たち
取引市場への供給量は減少傾向にあるものの、取引所から出金されるという現状において、仮想通貨の需要は高まっていると考えられます。投資家たちは取引所で売買するのではなく、仮想通貨を直接保持して蓄えるようにしています。この状況がマーケットに強い売り圧をかけているものの、供給量の減少は後々仮想通貨の値上がりを引き起こすでしょう。
データで見ると、現在は奇妙なパターンで仮想通貨を蓄積する傾向となっているのがわかります。通常であれば、弱気市場となった際にビットコインを蓄積する傾向が最も高まります。例えば、2017年から2018年における長期的な弱気市場では、投資家が次の強気市場のために仮想通貨を貯め込む傾向が見られました。しかし、現在は強気市場となっているものの、投資家は蓄積し続けています。
アメリカのCNNが発表している「恐怖・強欲指数(Fear & Greed Index)」でも、ここ数か月で初めて「強欲(greed)」に傾いたことから、マーケット全体で見ても投資家の心理は前向き傾向にあります。蓄積パターンも強気市場を示しており、個人投資家・機関投資家問わずに、強気市場が近いうちに終わると考えていないと判断できます。
ビットコインの半減期によってマーケットへの供給量が少なくなることもあり、現在の投資家たちは可能な限り多くのビットコインを手に入れようとしています。それが大幅な価格上昇につながり、64,000ドル(約702万2,100円)の史上最高値を付けました。一時はその半値まで下がったものの、強気市場は今も継続されています。
強気相場は今後も継続?
ビットコイン価格は8月にかけて上昇を続けており、2ヵ月ぶりに45,000ドル(約493万7,400円)を超えました。日足チャートでは8日間連続の陽線を記録し、強気市場の継続を示しています。この状況では強気勢がマーケットを完全にコントロールしており、24時間の間で10億ドル(1,097億2,000万円)を超えるショート(空売り注文)の清算が行われ、弱気勢は大きな損失を被っています。
ビットコインは今週1週間だけでも数回の値下がりしたものの、強気に勢いがある現状から、チャート上では下落傾向に移行する様子は見えません。今週は一時的に48,000ドル(約526万6,600円)の価格を記録してから反発し、44,000ドル(約482万7,700円)まで値を戻しました。現在は44,000ドル前後の値幅にありますが、最近の値動きから分析すると、今後は46,000ドル(約504万7,000円)を中心に価格が動くとようになるかもしれません。
参考資料:https://coinchoice.net/investors-tend-to-save-btc/
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Source: 仮想通貨情報局