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暗号資産市場と世界の金融市場動向【2020年12月】

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マクロ市場の影響が強まる暗号資産市場

最近の暗号資産市場は、これまで以上にマクロ市場の影響を受けるようになるでしょう。その理由は、金融緩和によるインフレーションのヘッジを目的にした機関投資家の参入が多くなっているからです。これまでの暗号資産市場は、暗号資産を専門にしているヘッジファンドや個人投資家がメインの市場でしたが、これからは従来の金融市場にも投資する機関投資家も多くなることでマクロ市場の影響は大きくなるでしょう。本コラムでは、直近のマクロ市場の動向と、暗号資産市場への影響を関連付けて解説します。

ビットコイン(BTC)を購入する機関投資家の多様化

米国では、ビットコイン(BTC)を購入する機関投資家の多様化が進み、これまでの暗号資産ヘッジファンドだけでなく、グローバルマクロファンドを始め、金融機関でも暗号資産を保有する動きが日々ニュースとなりました。グレースケール投信を始めとした海外機関投資家からの資金流入が継続し、BTC価格はドルベースで史上最高値の更新が続きました。12月中旬には大きな節目である2万ドル(約210万円)を突破し、年末時点での高値は2万9298ドルと3万ドルに迫りました。米国景気刺激策の進展とBTC価格が連動しており、インフレヘッジとして需要が鮮明になりました。

ETH価格はBTC価格に連れ高する形で、年末時点では735ドルまで上昇。12月の上昇率は25%とBTCの54%上昇に対し大きく見劣りしました。総じてBTCに対してアンダーパフォームしており、機関投資家による購入額の差が大きな要因と思われます。

弊社のヒアリングによると、機関投資家間の暗号資産レンディングレートは、貸付業者による差が大きいもののBTCが4.5-5.5%と若干の上昇傾向。マイニング業者のニーズが高まってきており、暗号資産担保ローンの金利は、LTV50%の契約でも12%程度まで上昇。旺盛な借入ニーズにより担保ローン業者の貸出資金が枯渇してきているためか、利息の金利提示が小数点以下第二位まで提示される状況となっています。

アメリカの金融政策と株式市場

暗号資産市場堅調の最大の原動力は、機関投資家のインフレヘッジ需要であり、その背景には世界各国の大規模金融緩和、積極的な財政支援があるため、金融政策と財政政策についても記載します。

米国の金融政策を決定する連邦公開市場委員会(FOMC)では追加緩和こそ見送られたものの、FRB議長からは「景気回復が鈍れば資産購入を増やす可能性」などさらなる緩和が期待できる発言がありました。

平行線を辿っていた追加景気刺激策 に関しても与野党で合意、上院下院の議会も通過し、年末にトラ ンプ前大統領の署名となりました。世界の指標金利である米10年債利回りは、0.9-0.95%の横這いでの推移となりました。金利の上昇はインフレを抑え、インフレヘッジ需要の低下につながりますので、暗号資産運用において今後最も注視すべき指標であると理解しています。

対して、米国株式市場では、S&P500、NYダウ、ナスダックがそろって史上最高値を更新するなど堅調。PERが38倍程度と歴史的な割高状態にあり、今後、グロース銘柄からバリュー銘柄へのシフトが進むか注目されます。日経平均株価は前月比3.8%高の27,444.17円に続伸し、1990年8月以来の高値をつけて年末を迎えました。実態経済に対して割高な状態であることは明確であり、世界同時株安と言われる急落局面が起こった場合、暗号資産はさらなる急落が予想されます。

暗号資産は、既に株式市場と相関が高いリスクアセットであることを忘れるべきではないでしょう。

参考資料:https://coinchoice.net/crypto-and-world-financial-market-202012/ 

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Source: 仮想通貨情報局

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