分散型金融(DeFi)が急成長しているとして注目されています。その中で、ETHは分散型金融でほとんどの取引を経由する基軸通貨(ブリッジ通貨)になりつつあります。
取引の裏側に存在するブリッジ通貨としてのETH
さまざまな担保資産にETHが採用されたり、ETHを使用してレバレッジできたりするという側面もありますが、ここでいう基軸通貨とはそういった意味ではなく取引の裏側に存在するブリッジ通貨であるということです。
例えば、ユニスワップ(Uniswap)のようなAMM型分散型取引所では、ユーザーは好きなERC20トークンの2つを任意で交換できます。例えばUNIとSUSHIといった具合です。ユーザー視点ではこれら2つのトークンをそのまま交換しているように見えますが、実際には裏側でETHを経由していることがほとんどです。分散型取引所(DEX)ではペア同士を繋ぐRouter Contractによって最適ルートを探る交換が行われ、裏側でETHが間に挟まり交換される事が多いです。
下記の例ではUNI→SUSHIを交換しようとしていますが、中間通貨があることを確認できます。
出典:https://app.uniswap.org/#/swap
大きな経済圏ではブリッジ通貨が必ず必要とされる
これは世界の貿易決済における米ドルの構造と似ています。第二次世界大戦以降、世界での覇権通貨は米国ドルで、国際決済の4割は米ドルで行われています。
米国以外の企業が貿易をするときも米ドルを使用しています。例えばタイ企業と中国企業が取引する際には米ドルを使っているイメージはしにくいですが、タイバーツで支払い人民元で受け取るというお金の流れがあったとしても米ドルが中間通貨として機能しています。
この際は、決済ネットワークの中で、タイバーツ>米ドル>人民元として交換されます。最も流動性がある通貨である米ドルを中間通貨にすることで、タイバーツ>人民元を直接交換するより安くなります。ある程度の大きさのある経済圏ではブリッジ通貨は必要とされます。
この観点ではETHは少なくともイーサリアム(Ethereum)の分散型金融の経済圏で間違いなくブリッジ通貨の存在になっています。そして、イーサリアム上のDEXの経済圏が常に大きくなっています。分散型金融のスマートコントラクトにロックされている金額の総額は11月現在で1兆3,500億円程度になっています。
投資家としてETHの将来的な役割を描くにはさまざまな観点があります。Ethereum2.0のステーキング、担保資産としての用途拡大、クロスチェーンでの優位性、EIP1559によるマネタリーポリシーの変更などがよく話題にあがるトピックです。そして、ETHが分散型金融内でブリッジ通貨化していることも大きなファクターになりえるでしょう。
参考資料:https://coinchoice.net/eth-could-be-key-currency/
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Source: 仮想通貨情報局