ネムがPropineと提携
仮想通貨ネム(XEM)が、12月にローンチが予定されている新チェーン「Symbol」で、証券サービス会社のPropine(プロパイン)と提携することを発表した。これによりSymbolのユーザーは、セキュリティトークン管理など、Propineが提供する全てのサービスを利用できるようになる。
Propineとの提携により利用できるサービス
カストディやデジタル証券発行など様々なサービスを提供しているPropineとの提携により、Symbolのユーザーは、Symbol上でのセキュリティトークンの発行、管理およびカスタマイズが可能になる。Propineは証券の関連サービスをワンストップで提供している。たとえば、Propineが提供する投資家用のダッシュボードを利用することで、セキュリティトークン保有者は、レポートや報告書機能にもアクセスできる。
これに加え、ユーザーはPropineの法律を遵守したカストディサービスを利用し、トークンを安全な方法で管理および送付できる。またSymbolでの、トレード前のチェックおよびトレード後の処理が円滑化され、トレード全体が効率的かつ安全に行われるようになる。
Propineとは
Propineとは、法人クライアントのニーズに対応し、デジタル証券の基礎からの築き上げを目的にした会社だ。経験豊かな銀行員、サイバーセキュリティスペシャリスト、コンプライアンス専門弁護士、およびブロックチェーンエンジニアなどがチームの主格となっている。Propineは、カストディ、グローバルなデジタル証券発行、資産管理、トレードの円滑化、ならびに投資および規制に関するレポートなど、最新の金融市場および規制トレンドに適合した幅広いサービスを提供している。
Propineは、2018年に設立され、2019年以降シンガポール金融管理局(MAS)の「レギュラトリーサンドボックス」の対象として認定されている。レギュラトリーサンドボックスとは、革新的な技術やサービスの発展促進のために政府が定める規制緩和策だ。対象となる組織に対しては、一時的に現行法の適用が免れられ、政府監視の下、安全な環境の中で実験が行える。Propineは、MASのレギュラトリーサンドボックス対象組織の中で、独立したデジタル資産カストディアンとしては初めて、資本市場業務(Capital Market Service; CMS)の認可を得た。
また世界で唯一、情報セキュリティマネジメントに関する国際規格であるISO 27001に準拠している、デジタル資産カストディアンでもある。
両社代表のコメント
今回の提携について、ネムグループ(NEM Group Ltd.:NGL)の最高投資責任者であり、ネム関連のVC組織ネムベンチャーズの業務執行取締役のDave Hodgeson氏は、以下のように語っている。
Symbolのローンチが近づき、規制を遵守しつつ効率的な資産管理ソリューションを提供できるパートナーを探していた。(中略)シンガポールでの規制環境下におけるPropineの存在感は大きく、対象範囲は世界にも広がっている。Propineの他のチェーンとの取り組みのおかげで、ネムは既に他のエコシステム内の関係者と良い協業関係を築けており、デジタル資産エコシステムを推進するという展望に向かうことができる。
Propineの創業者でCEOのTuhina Singh氏は、以下のようなコメントを出した。
Propineは、資本市場の商品、およびそのような商品にアクセスするための手段をトークン化することで、資本市場へのアクセスの民主化を試みている。ネムとの提携は、同じビジョンのもとに結ばれている。Symbolはセキュリティトークンを目的として構築され、ガバナンスや規制の関する要件は最重要事項だ。ネムと共に、クライアントへ革新的なデジタル証券発行およびカストディソリューションを提供し、デジタル証券エコシステムをより頑丈なものにしていきたい。
ネムのパートナーシップ
ネムはPropineの他にも、Symbolローンチに際して様々な企業と提携を結んでいる。
Bimtrazer
チリおよびアルゼンチンを拠点とする多国籍企業のBimtrazerは、カタールの建設企業とMOU(覚書)を締結し、2022年にカタールで開催されるFIFAワールドカップに向けた建設プロジェクトで、Symbolを活用することを2月に発表した。
Bimtrazerは、Symbolブロックチェーンを応用し、BIM(Building Infromation Modeling)と呼ばれる建設における管理システムと人工知能を組み合わせたプラットフォームを開発している。Bimtrazerは、Symbolの集約トランザクションなどのユニークな特徴、ならびにハイブリッドブロックチェーンとしてSymbolが提供している高度なスケーラビリティおよびセキュリティなどを理由に、Symbolブロックチェーンを選んだ。
参考:仮想通貨ネムの「Symbol」、22年W杯のホテル建設で実利用へ
FIX Network
SIMカード上の携帯端末利用者の秘密鍵およびトランザクションを保護するソリューションの提供を目的としたFIX Networkは、ネムと提携することを3月に発表した。この提携によりFIX Networkは、Symbolブロックチェーンを活用したSIMスワップ攻撃を防ぐためのセキュリティソリューションの提供を開始した。
FIX Networkのソリューションの中核が、セキュリティポリシーだ。セキュリティポリシーは、高度に柔軟性があり調整可能な一連の規定から構成されている。これによりユーザーは、デジタル資産の保管、アクセス、処理および復元方法などの、デジタル資産およびアイデンティティに関する使用特性を設定することができる。特定の環境下でのみ資産の移動が行えるように設定することもでき、これによりユーザーのセキュリティが強化される。
参考資料:https://coinpost.jp/?p=189177
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Source: 仮想通貨情報局