8月、暗号資産(仮想通貨)トレーダーに最も大きなリターンをもたらしたのは、ビットコインではなく、DeFi(分散型金融)だった。
時価総額10億ドル(約1060億円)以上の暗号資産のなかで、7月に取引が開始されたばかりの「yearn.finance(YFI)」トークンは、その価値が8倍に跳ね上がり、トップの座を獲得した。高騰率が2番目に高かったトークンは「UMA」で、価格は5倍に膨れた。
DeFiプラットフォームに価格情報を提供する「オラクル」サービスで知られる、チェーンリンク(Chainlink)の「LINK」トークン価格は、2倍になった。
DeFiアプリケーションのほとんどがイーサリアムブロックチェーン上に構築されているが、ネイティブトークンのイーサリアム(ETH)も8月、87%上昇し、価格は年初から3倍以上となっている。
ビットコインは低迷?
データ会社のグラスノード(Glassnode)は8月31日付けのレポートで、「DeFi周辺で生まれ続けるイノベーションは、新しい、利益の出る金融ゲームの絶え間ない源泉が存在していることを意味している。一方、ビットコインはその価値提案やエコシステムの面でほとんど成長していない」と記している。
流動性プロバイダー「Tritum」のジョン・ウィロックCEOは31日、「この状況は、これらのプロトコルとイノベーションが長期的な価値を持っていることを証明する楽観主義の嵐のように思える」と話す。
分散型取引プラットフォームのユニスワップ(Uniswap)では、取引高が5億6000万ドル(約590億円)に達し、大手暗号資産取引所のコインベース(Coinbase)の取引高を上回ったと伝えられた。
奇妙なDeFi
「DeFiはもはや否定できない」と語るのはクリプトアナリシス・キャピタル(Cryptanalysis Capital)のマネージング・パートナー、ジョージ・クレイトン氏。
DeFiプロジェクトの中には、ヤム(Yam:さつまいも)やスパゲッティ(Spaghetti)と名づけられたものもあり、数百万、数億、あるいは数十億ドルのお金の出入りがない場合は、偶然の産物、あるいは詐欺まがいとして片付けられるものもあるだろう。
7月、YFIトークンが公開されたとき、Yearn.Financeの生みの親のアンドレ・クロンジェ氏は、YFIトークンを「完全に無価値」と表現した。
CoinDeskのブラディ・デール(Brady Dale)の言葉を借りると、「DeFiは『Weird DeFi(奇妙なDeFi)』と呼ばれるようになるかもしれない。つまり、エコシステムに対する価値は良くても疑わしいもので、そのコミュニティは少なくとも20%は内輪のジョークによって動かされている」
大手取引所CEOもDeFiに?
大手暗号資産デリバティブ取引所、ビットメックス(BitMEX)のアーサー・ヘイズCEOは、8月27日の月刊ニュースレターで、地元のナイトクラブが現在閉店しているため、DeFiプロジェクトでトークン報酬を得る「イールド・ファーミング」を行っていることを認めた。
「私は、これらのプロジェクトの多くは浪費に終わると見ているが、そこにはイーサリアムや他のプロトコルの上に構築されている基礎的な銀行インフラの原型がある。暗号資本市場は、多少のリスクは構わないと考えているなら、かなりの利回りが得られる最高の場所」(ヘイズ氏)
またヘイズ氏は「これらのプロジェクトに投資したお金のほとんどは、失ってしまう」と考えているが、自分のお金を失うことは「学ぶための唯一の方法」と考えていると加えた。
参考資料:https://www.coindeskjapan.com/77711/
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Source: 仮想通貨情報局