大量の資金が7月に暗号資産(仮想通貨)市場に流れ込んだ。暗号資産は、投資家が利益を確定するには容易と言えるほど、その値を上げた。
「CoinDesk 20」のデジタル資産では、ビットコイン(BTC)はドル安へのヘッジ資産クラスとしての恩恵を受け、イーサリアム(ETH)はDeFi(分散型金融)の成長性を見据えた投機取引によって上昇した。
ビットコインは7月に24%上昇し、過去8年で最高の7月となった。8月2日には一時下落したものの、同日夜には1万1100ドル前後で取引された。
ゴールド、株式、ドル
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、各国政府や中央銀行による追加救済策や景気刺激策への期待が高まる。この状況下、ビットコインと並んでゴールド(金)は上昇を続ける。伝統的にインフレに対するヘッジ資産と考えられるゴールドは、最高値を更新し、8月2日には1オンス2000ドルに迫った。
一方、格付け会社フィッチ(Fitch)は7月31日、アメリカの債務格付けの見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げた。「インフレの再発」によってFRB(連邦準備制度理事会)は金利の引き上げを余儀なくされ、「債務のダイナミクスに悪影響を与える」可能性があると発表文に記載した。AAAの格付けは据え置いた。
「ドルは、ゴールドやビットコインのような量的緩和が不可能な資産に対して下落している」と暗号資産投資会社パンテラ・キャピタル(Pantera Capital)のダン・モアヘッド(Dan Morehead)CEOは先週、マンスリーレターで述べる。
ビットコインが年初から56%上昇している一方で、S&P500種株価指数は1.3%の上昇幅にとどまっている。S&P500の7月の上昇幅は5.5%だった。
DeFiで上昇するイーサリアム
イーサリアム(ETH)は同月、54%上昇。現在は過去2年の最高値380ドル付近で取引されている。
主要なDeFi(分散型金融)プロジェクトのほとんどはイーサリアムブロックチェーン上に構築されており、DeFiには現在42億ドル(約4400億円)相当が預け入れられている。わずか2カ月で4倍となった。
「DeFiをめぐる熱狂がイーサリアムの上昇をさらに後押ししている」と暗号資産取引所オーケーエックス(OKEx)のジェイ・ハオ(Jay Hao)CEOは述べ、分散型取引所(DEX)での取引高が急増していると指摘した。
「たとえDeFiバブルがはじけたとしても、イーサリアムに対する熱狂を沈めることはできないだろう。DeFiトークンから資金がイーサリアムに戻ってくるため、価格はさらに上昇する可能性がある」(ハオCEO)
CoinDesk 20の中で7月に最も上昇したデジタル資産は、チェーンリンク(Chainlink)の「LINK」トークンだ。7月の上昇率は70%。
LINKはイーサリアムブロックチェーン上に構築された数多くのDeFiアプリケーションにとって、チェーンの外のデータを結びつけるためのシステム、いわゆる「オラクル」としての役割を担う。オラクルがDeFiにおいて果たす可能性は非常に大きく、オラクル間の競争も激しくなっている。
ステーブルコイン
米ドルに連動するステーブルコインのテザー(USDT)とUSDCは、限定的な値動きで7月を終えた。ステーブルコインの発行は急速に増加しているおり、その供給量は120億ドル(約1兆2700億円)を超えると言われる。
「ステーブルコインに投資していたら、ビットコイン、イーサリアム、チェーンリンクがもたらした利益を逃したことになる」と暗号資産ヘッジファンドBitBull Capitalのジョー・ディパスクァーレ(Joe DiPasquale)CEOは語った。
参考資料:https://www.coindeskjapan.com/73941/
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Source: 仮想通貨情報局