カナダの規制当局であるオンタリオ州証券委員会(OSC)は仮想通貨(暗号資産)取引所コインスクエア(Coinsquare)を告発した。市場操作を行い、取引量をごまかしていたという。
OSCは仮装売買(ウォッシュ・トレーディング)によって、取引高を人工的に水増ししていたと指摘。「オンタリオ州の証券法に反する行為だ」と主張した。OSCはコインスクエア創業者のヴァージル・ロスタンド氏とCEOを務めていたコール・ダイアモンド氏、最高コンプライアンス責任者のフェリックス・マゼル氏を被告人として指名した。
この件に関する公聴会は7月21日に開催される予定だ。
訴状の中でOSCは、ダイアモンド氏が2018年3月にロストランド氏に取引量を水増しするように指示したと指摘。その後ロスタンド氏が仮想売買を行うことを提案したという。
仮装売買(ウォッシュ・トレーディング)とは大規模な取引が発生したように見せかけ、取引を誘引する手口。大規模な取引を同一人物の注文を実行することで、人為的に取引量を膨らませることができるが、実際には資産は変わっていない。
コインスクエアは2018年7月17日から2019年12月4日までの間で、約59万ビットコインに対して、84万件の仮装売買を行ったという。この取引量はコインスクエアの総取引量の90%以上を占めていた。
OSCによると、従業員からの懸念が示されていたものの、運営側は仮装売買を続けたことで市場と消費者を騙したという。当局側はコインスクエアの取引に関する情報を請求したものの、コインスクエアは不正行為を報告せず、「市場操作を防ぐための措置をとっており、違法行為を検出するのに役立つ管理をしている」と話しているという。
OSCのレポートによると、コインスクエア側は今回の仮装売買を告発した従業員を解雇したと報告している。
SNSサイトのレディットのユーザーからもコインスクエアに対してすでに懸念が上がっている。2018年8月にはコインスクエアの取引の多くが、通常の取引時間外に行われていることを指摘した。
またViceはダイアモンド氏が発注した発言をリークした文章についても報道。複数の従業員が仮装売買について懸念を示していたという。
過去には韓国で摘発
仮想通貨取引所の仮装売買に関しては、2019年1月にも韓国の仮想通貨取引所Komid(コーミッド)で、トップ2人が懲役刑を言い渡されている。取引所の代表が取引高の偽装で捕まった初の事例だ。ヒョンソク・チェCEOは3年、パク幹部は2年の懲役刑を言い渡された。
両氏は5つの口座アカウントを使って500万件の取引高を偽造。投資家と新たな利用者を騙し、手数料にして約4500万ドル(約49億円)を取得したという。
取引高の人工的な増設は仮想通貨業界の中でも問題になっている。Blockchain Transparency Instituteが2018年12月に出したレポートによると、取引所の95%、取引ペアの80%で仮装売買が行われている。
参考資料:https://jp.cointelegraph.com/news/canadian-regulator-accuses-coinsquare-of-wash-trading
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Source: 仮想通貨情報局