リップルの共同創業者兼会長のクリス・ラーセン氏が、私財をなげうってサンフランシスコでの監視カメラ導入を進めている。10日付のニューヨーク・タイムズが報じた。格差が拡大するサンフランシスコでは富裕層が住む地域における破壊行為が少なからず発生しており、同氏は、民間による高解像度のセキュリティカメラをサンフランシスコ中に張り巡らせる計画を持っているという。

サンフランシスコでは凶悪な犯罪こそ多くないものの、自動車など富裕層の所有物が破壊される行為が目立つ。事態打開のためラーセン氏は、市内中にカメラを張り巡らせて代金は同氏が持つという大胆な解決策を提示している。

ラーセン氏の住居は、サンフランシスコベイ・エリアが一望できるロシアン・ヒル。本来なら誰もが羨む立地条件だが、日中に犯罪者集団が観光客の車に押し入り、窓ガラスを割って荷物を盗むという光景をよく目にするという。

同氏の義父の車も襲撃されたことがあり、自身の車の窓も破られたほか、子供が寝ている間に住居に侵入されて住宅セキュリティーのためのワイヤーが切断されたこともあるそうだ。

ラーセン氏はこうした状況に業を煮やし、監視カメラ代を支払うことに決めたという。同氏によると犯罪者集団は「見られていることも気にせず」犯罪行為に及ぶ「ハレンチ」な集団だという。

現在ラーセン氏は、400万ドル(約4億2800万円)を支払い高解像度のカメラ代とApplied Video Solutionsと呼ばれる企業の維持費を支払う予定。後は、地元のコミュニティーがカメラをどこに設置するのかなどを決める仕組みだ。

解像度は犯罪者のえくぼまで写せるほど高く、裁判における立証にも役立つそうだ。

現時点で映像は、30日後に消去されるという。

2013年に監視カメラ設置を開始し、現在は1000台以上のネットワークを管理している。

Black Lives Matter(黒人の命は大事、BLM)に同情的なニューヨーク・タイムズは、BLMが求める警察への資金を減らすと時代の流れに合っているものの、市全体のセキュリティを一民間人に本当に一任していいのか、問題提起している。

ラーセン氏は、全ての曲がり角にセキュリティカメラを設置することでコミュニティが一丸となって犯罪対策をすることが効果的とみており、警察の役割も小さくなっていくのではないかと予想したそうだ。

ラーセン氏と仮想通貨業界

サンフランシスコ出身のラーセン氏は、1997年にオンラインの融資企業 E-Loanを創業。2012年にはリップルの共同創業者となった。2018年には、米国で最も裕福な400人をランク付けする「フォーブス400」の2018年版に仮想通貨業界として初めてランクインしたのがラーセン氏だ。

同氏は、現在も仮想通貨やブロックチェーン関連の話題で積極的に発言しており、先月は、中国がデジタル人民元開発やブロックチェーン導入を加速させる中で、「米国政府はブロックチェーンにもっと関与する必要がある」と注文していた

「我々はこのゲームで遅れを取っている。米国は2017~18年のICO(イニシャル・コイン・オファリング)がひどかった時のスタンスから変わらなければならない。私たちはICOとの戦争では勝った。今、私たちは中国とどのように競争するのか、どのように追いつくのかに切り替える必要がある」